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『スピリッツ・オブ・ジ・エア』新場面写真公開 錆びれた車が立ち並ぶ奇妙な風景が

2019年12月17日 13:02  リアルサウンド

リアルサウンド

『スピリッツ・オブ・ジ・エア』(c)1988 COMPANY BIZARRE PTY LTD.

 2020年2月8日公開の映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』より、新たな場面写真が公開された。


参考:ほか場面写真はこちらから


 本作は、『クロウ/飛翔伝説』『アイ、ロボット』『キング・オブ・エジプト』などの作品で知られる、エジプト出身の映画監督アレックス・プロヤスのデビュー作。オーストラリア・アカデミー賞最優秀美術賞・最優秀衣装賞や、第1回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭審査員特別賞を受賞し、日本ではレイトショーで12週間のロングランとなるヒットを記録するも、その後長年に渡って観ることが難しいとされてきた。今回プロヤス監督自身の手によるデジタルリマスター版としてスクリーンに蘇る。


 赤い砂漠と紺碧の空の間に林立する巨大な十字架とぽつんと佇む一軒家。そこに住む足の不自由な兄フェリックスは、この場所ではないどこかへ飛び立とうと、飛行機づくりに明け暮れている。一方、偏執的な気質を持つ妹ベティは、死んだ父の墓を守ることに執着している。茫洋であるのに隔離された2人だけの世界に、スミスと名乗る奇妙な逃亡者が現れるが……。


 公開された場面写真では、オーストラリアの鉱業都市・ブロークンヒルを背景に、荒野の中心で弦楽器を奏でるベティの姿や、錆びれた車が頭から突き刺さった状態でそびえ立つ風景などが切り取られている。


 なお、ブロークンヒルは、『荒野の千鳥足』『マッドマックス2』『プリシラ』『虹蛇と眠る女』など数々の作品のロケーションにも用いられている。低予算での制作となった本作では、全ての撮影がブロークンヒルにて行われた。


 プロヤス監督は、一か所のみでのロケーション、登場人物は3人という設定について、ロマン・ポランスキー監督の『袋小路』からインスパイアされたと明かす。撮影については、「やってみて初めてその難しさを学んだ。最小限の要素で映画としての興味を持続させることの難しさを。その設定で映画を作り上げるにはものすごい技術が必要だった」「予算上どうしても諦めなければならないシーンもあり残念だった。でも描き切らないからこそ、観客も戸惑い、登場人物たちと一緒の気持ちになることができたからかえって良かった」と振り返っている。 (文=リアルサウンド編集部)