12月15日放送の『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)で、予備校講師でタレントの林修氏が日本の出生数が減少している原因を語った。出生数の大幅な減少について、林氏は「こんなショッキングなニュースはない」とコメントした。
衛藤晟一少子化対策担当相は今月10日、2019年の出生数が87万人を下回る可能性があると閣議後記者会見で話した。国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表した推計では、2019年の出生数は92万1000人。90万人を下回るのは2021年(88万6000人)と見込まれていた。(文:石川祐介)
「もう少し経つと少産多死になる可能性が非常に高い」
林氏は、国の経済規模と出生数の関係性について、「発展途上国では多産多死。これが多産少死になり、少産少死になります」と説明。日本は現在"少産少死"にあたるといい、
「子どもは生まれないけどご年配の方も元気で亡くならない。もう少し経つと少産多死になる可能性が非常に高い」
と説明する。今後の日本は子どもが生まれず高齢者が多く亡くなり、恐ろしいスピードで人口が減っていく可能性があると指摘する。
また1人の出産可能年齢(15~49歳)の女性が生涯で何人の子どもを産むかを推定する合計特殊出生率は1.42(2018年)だが、この数字は未婚者も含んでいると指摘。既婚者の出生率は1.94となる。
「2人の大人から2人の子どもが生まれるわけだから、そこまで深刻ではない。にもかかわらず、これだけ出生率が減っているということは年齢的に子どもが産みづらい人も増えている一方で、結婚率が下がっていることが一番大きい」
林氏は、所得格差が開いたことで「所得の低い方々が結婚して生活ができないという危機的な状況も大きな原因になっているのでは」としている。雇用が安定せず所得も上がりにくくなったことが結婚率・出生数に関係しているようだ。
「既に子どもがいる世帯にもっと兄弟姉妹を増やしてもらうほうが現実的な気がする」
ネット上には、「所得が少ないと心の余裕もなくなるから、結婚どうこう考えてらんない」と林氏の話に対する共感の声が相次いだ。
また、結婚率の低下が出生率の低下に繋がっているのもあると述べた上で「不妊治療の保険適応も関係あるんじゃないかな」といった声や、むしろ結婚・出産を促すより「既に子どもがいる世帯にもっと兄弟姉妹を増やしてもらうほうが現実的な気がする」といった出生数を改善するためのアイデアも寄せられた。
「若者の恋愛離れ」が叫ばれて久しいが、安易に結婚率や出生数に結びつける風潮はどうなのだろうか。そのような考えでは少子高齢化は改善できないし、若者が置かれている深刻な現状を理解することが大切になってくる。