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流佳、圧倒的な強みで“料理と英語”の雪辱晴らす 『テラスハウス』卒業インタビュー

2019年12月14日 07:21  リアルサウンド

リアルサウンド

『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

 Netflixで配信されているリアリティーショー『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』。12月10日にYouTubeにアップされた未公開映像には、流佳の卒業インタビューが収められていた。


 以下、今回の見どころをレポートする。本編のネタバレもあるため、ご注意いただきたい。


「ブロッコリーパスタになったんです」


 約半年間、テラスハウスで暮らす中で積もっていった“悔しさ”。おそらく、どの住人よりも、その感情が最も強かったのは、流佳なのではないだろうか。そんな彼は、25TH WEEKの本編で、溜まりに溜まったその雪辱を見事に晴らして、テラスハウスを去っていった。


 流佳と言えば、印象深い出来事が二つある。一つ目は、“ブロッコリーパスタ”をはじめとした料理への無知さ。この通称「ブロッコリーパスタ事件」と呼ばれるエピソードは、流佳がキッチンにある食材でカルボナーラを作ろうとして、なぜかパスタを茹でている鍋にブロッコリーと溶き卵を一緒にぶち入れるという奇行のこと。麺を湯切りするときに、卵のほとんどはシンクに落ちていった。卵の結末が、あまりにも無念で悲しすぎる光景だったため、胸が痛んだことが記憶に新しい。もちろん、出来上がったパスタは「食材の味そのまま」という名の無味。このあまりに斬新すぎるクッキングは、多くの視聴者を震撼させた。


 二つ目は、“流佳イングリッシュ”。これは、「スパイダーマンになりたい」と、英会話教室に通い始めた流佳が、レッスン初日に“weekend”という単語を何度教わっても「ウォーキング・デッド」と読み続けてしまう事件を指す。1度目の間違いでは、爆笑していたスタジオメンバーも、流佳が2度3度「ウォーキング・デッド」を繰り返すうちに、場は凍っていき、最終的にはまさにホラーのような恐怖を覚えていた。ちなみに、この事件について当の本人は、22nd WEEKの未公開映像内で、「先生が、『ウォーキング・デッド』寄りに『ウィークエンド』って言ってた」と弁明している。


 もともと、料理を全くしたことがなく、英語もほとんど勉強したことがなかった流佳。おそらく両方とも、これまでの人生で、彼は自らしようと思うこともなかったのだろう。だが、流佳はテラスハウスに入ったことで、大きく成長した。持ち前の“素直さ”と“柔軟な心”で、一緒に住むメンバーのアドバイスやスタジオMCの声、視聴者の意見などをしっかりと受け止め、実行に移していったのだ。どんなに周囲からバカにされても、決して腐らなかった。それどころか、自分の至らなすぎる点に対して、時に落ち込みつつも、決して目を逸らさず、真摯に向き合い続けていく。ゆえに流佳は、目に見えてわかるほど、着実に変化していった。この脅威の吸収力は、彼の圧倒的な強みと言っても過言ではない。


「ちゃんと成長したよってところを見せるのって、料理と英語しかないと思ったんですよ。なので、頑張りました」


 これは、25th WEEKの本編で、流佳がテラスハウスのメンバーに卒業を打ち明けるために仕込んだ“サプライズ”のこと。24th WEEKの本編で、クッキング教室に通い始めたことをさらっと明かしていた流佳。それは、“ブロッコリーパスタ”にリベンジするためだということが、卒業前夜に判明することになる。料理教室の先生と“ブロッコリーパスタ”のアレンジを考え、オリジナルレシピを考案したという流佳は、トロフィエパスタと呼ばれる細く短いパスタを麺から手作りしていく。そして完成したのは、ブロッコリー入りのカルボナーラ“カルボッコリーパスタ”だった。渾身の“カルボッコリーパスタ”を住人全員に振る舞うと、みんなが声を揃えて「美味しい!」と絶賛。流佳は思わず嬉し涙を流していた。パスタを茹でるのすらおぼつかなかった流佳が、いまではパスタを麺から作るほど、圧倒的に成長したのだ。


 思えば、流佳の“ブロッコリーパスタ”に対して、ペッペは入居した当時こう言っていた。「それが初だよ! だいたいカルボナーラもそんな感じで生まれたよ。だから多分、これから100年後にブロッコリーパスタがメインになるよ」(15TH WEEK本編)、と。その言葉を実現するかのように、流佳は“カルボッコリーパスタ”を作り上げた。ブロッコリーパスタがメインになる未来が来るかはわからないが、それでも彼にとっては、とてつもなく大きな一歩を踏み出したと言っていいはずだ。


 流佳が用意したサプライズはこれだけではなかった。みんなの前で英語のスピーチを披露し、その中でテラスハウス卒業を発表したのだ。同じく初期メンバーの春花だけは、流佳が卒業することを事前に知っていたが、それでも彼のスピーチを聞いて、大粒の涙を流していた。おそらく、流佳の葛藤を長い間、一番身近で見ていたからこそ、彼の成長に少し寂しさを感じつつ誰よりも感動したのだろう。ちなみに、卒業インタビューでそのときのことを振り返っていた流佳は、「英語のスピーチで緊張して飛んじゃったことがあって、両親への感謝の気持ちが……」と、ちょっとズレているが、なんとも愛らしくて、彼らしいコメントをしている。


 そんな流佳は、最近、初めてボランティアに参加し、そこで「人のために何かするってめっちゃいいな」と思ったという。そこで将来は、「お金持ちになって、いっぱい寄付したい」と笑顔で夢を語っていた。


 大人になるにつれて、私たちが忘れてしまいがちな“素直さ”と“純粋さ”。それらが失われていくからこそ、大人は子どもよりも成長しにくく、変化するスピードも遅くなってしまうのだろう。だが、流佳にはまるで子どものような“無垢さ”が、いまでも残っている。それは彼にとって、変えがたい魅力であると共に、間違いなく最大の武器となるはずだ。流佳はこれからもいくらでも成長していけるし、どんな風にも変われる。スタジオでは「天才肌」と評されていたが、可能性も伸び代もまさに無限大なのだ。


 いま、芸能界の道を歩み始めた流佳は、果たしてどんな形に化けていき、お金持ちになる未来へと繋げていくのか。きっと彼は、どんなときも前を向いて、諦めずに突き進んでいくのだろう。


(朝陽空)