いまだに思い出すだけでちょっと笑ってしまうことがある。中学生の頃、同級生のK君と仲が良かったんだけど、ある日K君が朝のホームルーム前に担任のおばあちゃん先生に話しかけたのだ。すると、そのおばあちゃん先生はしばし沈黙し、それから「あんた誰ね?」と返した。
これは悪意によるものではなく、あくまでも先生が子どもたちの顔をポンポン忘れちゃってたことが原因である。当のK 君にしてみれば気の毒な話だけど、なんというか、クラス全体が温かい笑いに包まれてハッピーだったことは覚えている。
しかし、こんな話ばかりが転がっているわけでもない。「子どもの頃、先生にされたアレが本当に嫌だったなぁ」という暗い思い出を背負って生きている人も多いようなのだ。(文:松本ミゾレ)
「男性教師に生理をからかわれた」「終わりの会がチクリ大会に」
先日もガールズちゃんねるを閲覧していたんだけど、その中に「学校の先生にされて嫌だったこと」というトピックを発見した。見れば、トピ主はこういう書き込みをしている。
「学校の先生にも生徒を傷つけたり、生徒に舐められたりする人いますよね?私も学校の先生にひどいこと言われたりしました。学校の先生にひどいことされて嫌だったこと書きませんか?」
なんとも後ろ向きなトピックではあるが、まあちょっと面白そうではないか。トピ主自身もかつて受けた屈辱をいくつか書き込んでいるが、「男子にシャーペン壊された時、『あなたのシャーペン1本で構ってられない』てキレられた」という思い出には同情してしまう。
やっぱり男子よりも女子のほうが、癖のあるというか失礼な先生の攻撃に晒されやすいのかもしれない。特に女性の先生って、女子に対しては露骨に態度が悪いみたいなことってザラにありそうなものだし。
具体的にこのトピックに寄せられている数々の実体験について引用の元紹介させていただきたい。
「『君このクラスにいたっけ?』と言われた。傷ついたな」
「順番に朗読したり答える時に毎回私だけ飛ばされてた」
「喧嘩の仲裁で、双方の言い分すら聞かずに先に泣いた方の肩を持つこと。こういう事されたせいですぐに泣く奴が嫌いになった」
「私にではないがクラスメイトに対して生理になった事を皆の前でからかった男性教師。その子が親に言わなかったのか、そのまま終わったが今すれば大問題に発展すると思う」
「毎日の終わりの会がチクリ大会みたいになって、誰かの悪行を暴露するのが善だと刷り込まされた小学生時代。歪んだ性格になったよ」
とまあ、どれもこれも地獄のような体験談ばかりである。クラスの子どもの顔を覚えてないという事例も書かれている。冒頭でのおばあちゃん先生みたいな教師なら許されるんだけど、この書きぶりだとそういうわけでもないようだ。
教師によって人生が変わってしまうこともあるのでは
あと、終わりの会が悪行暴露大会になっちゃっているという話。これも目にした覚えがある分、気分が悪くなってしまうというものだ。この糾弾会、僕が見たのは小学5年か6年の時だったけど、いっつもO君というガチで「大丈夫か?」って心配になるレベルの子が槍玉に挙げられていて、それをクラスの担任も本気でやらせていて……
「ああ、学校の先生って所詮お山の大将だなぁ」と思うきっかけになった事例である。もちろん、教師は聖職者と呼ばれるように、マジで素晴らしい人格者も少なくないんだけど。ちなみに、O君はその後シンナー中毒になってしまい、今ではホームレスみたいな生活をしていると風の噂で聞いた。
僕自身は男で、しかも、ひねくれ者だったのもあって教師の陰湿な嫌がらせがトラウマになったりはしていない。だけど、もし僕が女の子だったら絶対嫌な気分になるか、登校拒否するだろうなぁというレベルの暴言は浴びたことがある。教師もピンキリ。生徒のメンタル強度もピンキリ。学校は怖い。