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東海オンエア・りょうはやっぱりヤバかった YouTubeジャックで示した“誠実な狂気”

2019年12月12日 10:31  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 人気YouTuberグループ・東海オンエアのりょうが12月6日、人気チャンネルの動画に多数出演し、YouTubeをジャックした。同日、東海オンエアが公開した『1日全力で努力したらどれだけの数のYouTuberとコラボできるの!?』という動画によるもので、実現したコラボの“数と質”に驚いたファンは多かっただろう。


(参考:東海オンエアはなぜ自らに“十字架”を課し続けるのか? メンバーごとにデータ化&徹底分析


 東海オンエアといえば、愛知県岡崎市を拠点に活動する6人組で、メインチャンネルの登録者数は480万を超えるモンスターグループだ。人生の全てをエンタメに捧げたリーダー・てつやを筆頭に、YouTuber界随一のギャグマシーンで良き父という顔も持つ鬼才・しばゆー、歌にモノマネと芸達者で、天然ぶりも愛されるとしみつ、酒や女性関係のだらしないエピソードが印象的で、ラジオDJとして急成長中のゆめまる、元小学校教員という異色のキャリアを持つ、ブレーン的存在の虫眼鏡と、超個性派のメンバーたち。そのなかでりょうは、基本的にクリーンなイケメン担当(本人は否定)であり、YouTubeでの成功も「友達(メンバー)が面白いから」と語るように、進んで目立とうとするタイプではない。


 そんなりょうが多くのYouTuberとコラボし、12月6日のYouTubeを“ジャック”することになったのは、東海オンエアにおいて絶対の効力を持つ「じゃんけん」に負けたから。「りょうはじゃんけんが強い」というのはファンにとって共通の認識で、それが珍しく一発で一人負けしたのだから、なにやら運命的なものを感じざるを得ない。そして、動画内でメンバーも語っていたように、礼儀正しく人に不快感を与えない人柄や、時間に正確でスケジュール管理に長けたりょうは、まさに適任だったと言える。


 個々の動画については、概要欄にあるリンクからチェックしてもらいたいところだが、りょうがアポイントを取り、1日でコラボしたYouTuberが驚きのラインナップだ。コラボ順に記載すると、さぁや、佐々木あさひ、スカイピース、ヒカキン、関根りさ、水溜りボンド、木下ゆうか、北の打ち師達、アバンティーズ、カジサック、フィッシャーズの11組。東海オンエアのメインチャンネルも含めると、合算のチャンネル登録者数は約3700万人に及ぶ。それぞれのクリエイターが多忙を極めるなか、1日で全ての撮影場所(多くは自宅だ)をめぐり、コラボ動画を撮影。やはり、YouTuberという業界で誰もが一目置き、無理を聞いてくれる人柄と、卓越したスケジューリング能力がある東海オンエア・りょうだからこそ、実現した企画だと思わざるを得ない。


 付け加えるなら、りょうはもともと東海オンエア内で与えられたミッションをどのメンバーにも増して全力でこなしてきたことも、忘れてはいけない。東海オンエアは動画外でも、じゃんけんで地味にキツい罰ゲームを与え合っていることで知られるが、水溜りボンドのトミーは以前、りょうは体を張るタイプではないと思っていたなかで、「じゃんけんの結果、銭湯から(かなり離れた)家に徒歩で帰るという罰ゲームを受けて、動画も回っていないのに、雪が降るなか本当に歩いて帰った」という初対面のエピソードを楽しそうに話していた。今回の企画は「罰ゲーム」ではないが、じゃんけんで負けた以上、何があっても本気で取り組むというのは、自らを「凡人」と言い続けるりょうの信念なのだろう。


 ちなみに撮影当日は、クイズ王・伊沢拓司率いるQuizKnockとのコラボ動画で「どんな場面でも語尾に“ズノック”」という罰ゲームを受けている最中だったこともあり、ヒカキンやカジサックなど、目上のクリエイターに対して「敬語が使いづらいズノック……」と申し訳なさそうにしながら、こちらも最後までやりきっていた。


 ファンにはおなじみのことだが、りょうはこの3月まで、多忙を極める東海オンエアでの活動と同時に、なんと建設会社に勤務し、現場監督として日々働くという、二足のわらじを履いていた。動画への出演頻度も高く、疲れた様子を見せないりょうが、満足に休むこともできず、心身ともに疲弊するだろう生活を続けていたという事実に、ファンは驚愕したものだ。今回のコラボ企画でも、全ての動画で疲れたそぶりすら見せず(木下ゆうかとの大食い企画だけは、やや大変そうだったが)、各クリエイターが用意した企画に全力で取り組むりょうの姿を見て、その柔らかな存在感とは対照的に、ファンは「そういえばヤバい人だった」ということをリマインドしたかもしれない。


 美容系YouTuberと並んでも違和感のないルックス&誠実な人柄と、ときにバカバカしく、ときに不可能にも思えるミッションを笑顔でやりきる狂気。一見相反する、アンビバレントな魅力を持つクリエイター・りょうは、今後も視聴者を驚かせ続けてくれるだろう。


(橋川良寛)