副編集長・沖本は絶望していた。
世界最小のペット型玩具『ゆびわんこ』発売を記念して行われた「アニメ!アニメ!編集部VS犬対決企画」。
編集長江崎からの「『ゆびわんこ』を題材に、かわいいワンちゃんに負けないぐらいの渾身の記事をつくってください」というお題を投げられた沖本は、アニメに登場する犬の魅力で勝負しようと渾身の記事を仕掛ける。だが、江崎編集長の愛犬・パンチに大差をつけられてしまった。
読者アンケートの結果、支持率は“かわいいわんちゃん”がじゃれる記事が約70%、編集部の犬キャラカタログ記事が30%だった
沖本「くっ、パンチめ……! このままでは俺は“犬に負けた男”になってしまう!」
なすすべなく放心状態となる沖本。すると、
???「沖本よ……原点に立ち返るのです」
あまりにも悩みすぎて、どうにかなってしまったのだろうか。突如天から声が聞こえた(ような気がした)。
天の声「アニメ!アニメ!はアニメファン向けのメディア。アニメに関わる人に焦点を当てた記事が人気だったはずでしょう?」
沖本「そうか、その手があった! 犬と『ゆびわんこ』が戯れる記事が人気なら、こちらは声優さんを呼んで『ゆびわんこ』と遊んでもらえばいいじゃないか! 幸せオーラ全開の人にあやかればリベンジも夢じゃない!」
人選に心当たりがある沖本は、さっそくコンタクトをとった。
沖本「もしもし、●●さんのマネージャーさんですか? ちょっと協力してほしいことがあるのですが……」
■声優・本多真梨子さん登場! でもご立腹?
数日後、編集部に訪れたのは声優の本多真梨子さん。
『日常』の相生祐子(ゆっこ)や『ロボットガールズZ』のZちゃんなどで知られる声優(アミュレート所属)さんだ。
実を言うと、“けっこうな筋”から「最近結婚された」というタレコミがあったのだ。コレは幸せいっぱいに違いない!
編集部にやってきた本多さんに対し、沖本はこんな言葉とともに、『ゆびわんこ』を差し出した。
沖本「このたびは本当におめでとうございます! 編集部からささやかなプレゼントをご用意しました」
本多「あ、ありがとうございます……」
しかし本多はピンと来ていない様子。渡された『ゆびわんこ』をまじまじと眺めている。
本多(どうしてお祝いされてるんだろう……?)
沖本「最近本多さんが結婚されたとたしかなスジから聞きまして……」
「結婚」という2文字に、本多の表情が変わった。
本多「あの……」
沖本「はい」
本多はバンと箱に手を付いて言い放った。
本多「……私、まだ結婚してないんですが!」
沖本「えっ?」
一瞬にして、編集部の空気が凍り付く。しかし状況がのみこめていない沖本は、「いやいやまさか」と1人で笑っている。
沖本「“結構なスジ”から聞いたんです」
本多「それ前にも言われたことある! 共演者さんから『あの、本多さんって結婚されたんですよね……』って。でも、してないと答えると、『え、でも結構なスジから聞きましたよ……』って」
初めてお会いする方に、「あの、本多さんってご結婚されてるんですよね?結構な筋から聞きました…」と言われたことがある。……結構な筋とは????この結構な筋がすごい気になる。— 本多真梨子 (@honda_mosamosa) November 8, 2019
本多は声を大にして言い放った。
本多「結婚は、してないんです!」
沖本はただ、頭を下げることしかできなかった。
■『ゆびわんこ』で本多真梨子を笑顔に
このままではリベンジが失敗してしまうだけでなく、企画倒れの可能性もある。本多の怒りを鎮める方法はないだろうか。
編集者魂にかけて、沖本はめげずに話を切り出した。
沖本「も、申し訳ありません……。ですが、この『ゆびわんこ』に罪はないのでよろしければ遊んでもらうだけでも……」
本多「…………」
本多「……まあ、遊ぶだけなら」
箱から顔を出す『ゆびわんこ』たち。頭をなでたりおうちに置いたりすると、かわいい声で鳴き始めた。
これには本多も思わずにっこり。
本多「この子たちは幼なじみなんですよ。窓越しに糸電話で会話してて……」
本多「あ、こんな遊び方もできますよ! 戦ってるみたいに見えませんか?」
すっかり機嫌が戻ったようで、あれこれと妄想に花を咲かせている。
「よし、今ならなんでも答えてもらえるはず!」と、手ごたえを感じた沖本。すかさずインタビューを開始した。
→次のページ:「ちっちゃなものとゲームが大好き」
■ちっちゃなものとゲームが大好き
――『ゆびわんこ』と遊んでみて、いかがですか?
本多:思った以上に高性能ですね。触った瞬間に歌ったりしゃべったりしてくれて。最近のおもちゃはすごいですね!
――本多さんが子どもだった頃とはかなり違いますよね。
本多:そうですね。でも、子どもの頃から『ゆびわんこ』のような人形と家がセットになっているおもちゃが好きなんです。
昔はドールハウス型のおもちゃでよく遊んでいて。お風呂セットとか、ソファーとか、小さいものを集めるのが好きでした。
――動物も小さいほうが好きですか?
本多:ちっちゃいほうが好きです! 子どもの頃はジャンガリアンハムスターを飼っていました!
ハムスターを両手で包むと、出口を探しているのか鼻を手のひらにツンツンって押し付けてくるんです。それがかわいくて。
ずっと触っていたいのですが、ハムスターにストレスがたまってしまうので、「ああ~」って心の中でうなりながら、ケージ越しに見つめて我慢していました。
それでも時々取り出して手のひらに閉じ込めるんですが。ひどい主人ですよ(笑)。
――ちなみにハムスターのお名前は?
本多:テムです。そのときハマっていたスーパーファミコンの『ガイア幻想紀』の主人公・テムが由来です。すごく好きだったんです。
当時のスーパーファミコンのゲームってボイスがないので、セリフに合わせて「トゥトゥトゥ」って効果音が入るんです。女の子は高い音、男の子は低い音で。あれすっごく好きだった!
――家ではよくTVゲームをしているそうですね。
本多:そうですね。RPGなど誰にも邪魔されずに黙々とやるような、ひとり遊びが好きです。
とくにハマったのが『サモンナイト』。テーマ性があるし、飯塚武史先生の絵がかわいい。大好きだと公言しまくっていたら『サモンナイト5』と『サモンナイト6』に出演できてうれしかったです!
■今飼いたい動物は?
――今は動物を飼っているんですか?
本多:飼いたいんですけど、今住んでいる家がペット禁止で。
――もし動物を飼える家に引っ越したら何を飼いたいですか?
本多:犬を飼いたいです! ポメラニアンか、ティーカッププードルか……。
あと、一時期本当に好きだったのが、プードルとマルチーズをかけあわせたマルプー。ペットショップに行くたびに「買われないで~」と念じながら見ていたんですけど、ある日買われてしまってがっかりしたことがあります。
――ペットショップにはよく行かれるんですか?
本多:行きます! 買わないくせに(笑)。でも目に入るたびに「あ、ペットショップがある!」って思っちゃいます。
――動物を見ていると癒されますからね。先ほど『ゆびわんこ』を触ったときも癒されましたか?
本多:『ゆびわんこ』もかわいいですよね~。犬種もチワワとトイプードルでしたし。ちっちゃい子がちっちゃい家具のあるおうちにいるシチュエーションが好きです。
――『ゆびわんこ』はセガトイズのクリスマスプレゼント17選にも入っています。本多さんだったら、『ゆびわんこ』を誰にプレゼントしたいですか?
本多:うちの姪っ子ですね。
そのときは私も声を変えて一緒に遊びます。「おいでよ、こっちだよ」(ドスの効いた声)って。
――(笑)。盛り上がりそうですね。
本多:子どもと遊ぶのが好きなんです。昔は学童保育所でバイトをしていました。
子どもって現実にある家具や動物などがちっちゃくなったものが好きですよね。私もぬいぐるみや玄関に飾れる小さいカフェセットとか、つい集めちゃいます。
■ちっちゃなころから中二病
本多:そういえばクリスマスで思い出しましたが、子どもの頃の自分ってけっこう“ヤバい子”でしたね。
――ヤバい子というのは?
本多:小学校低学年の頃は木としゃべっていました。
――え? 木をお友だちのようにとらえていた、と?
本多:そう! 守ってくれる存在だと勝手に思っていて。たぶん中二病をすでに小学生で発症していたんです。
家から学校までの道に大きな木と細い木があって。大きな木は「大神杉(だいしんすぎ)様」って呼んでました。本当は杉の木じゃないのに。
ちなみに細いほうは「新杉神(しんすぎしん)様」です(笑)。漢字も決めているあたり、痛々しいですよね。
――完全に中二病だった、と。
本多:そうなんです。いつも「この木に守られている」と思って登校していました。帰るときは「今日こんなことがあったよ」って報告するんです。……あ、心の中でですよ!
――その木はまだ残っているんですか?
本多:残ってます。さすがにもう「大神杉様」とは呼ばないですけど。
昔の私はヤバかったですね……。中学2年生のときはちゃんと中二病も発病させていました。赤い月を見て「呼ばれる……!」って(笑)。
――呼ばれる……。
■理想の結婚生活
――ところで、本多さんがもし本当に結婚したとして、理想の生活は考えていますか?
本多:小学生の頃から理想のプランがあります! 子どもの名前も付けてるんです。
女の子だったら桜ちゃん、男の子だったら瑞希くんにしたいって思っていて。由来は『カードキャプターさくら』と『怪盗アプリコット』。
生活面では、ちっちゃいころに遊びに行った友だちの家が理想そのものでした。庭が芝生になってて、犬小屋があって、かわいいわんこが「わんわん!」って吠えてて。
お部屋もすごく広くて、天井も吹き抜けになっているんです。日差しも明るくて理想の家でした。……犬、飼いたくなってきました!
――犬に名前を付けるとしたら?
本多:わんこを見てから決めますけど、2文字がいいかも。「モコ」とか。でも、やっぱりその犬を見ないとわからないですね……。子どもは顔見ずに決めてるけど、犬は顔見て決めます!
→次のページ:ペットが飼いたいんだけどかえない人に絶対おすすめ!
■ペットが飼いたいんだけど飼えない人に絶対おすすめ!
――『ゆびわんこ』がお家にあったとしたらどういう暮らしをしてみたいですか?
本多:私、ドールハウス型のおもちゃで遊んでいたときもお気に入りの子に「今日こんなことがあって」と報告していたんですよ。……自分で言いながら痛いなあ(笑)。
――いろんな人に報告していますね(笑)。
本多:報告というか、祈りに近いかもしれませんね。
――好きな人ができたら報告しますか?
本多:いや、逆に言わないと思います。恥ずかしくて言えない(笑)。
――もし大人にゆびわんこをおすすめするとしたら、どなたにすすめたいですか?
本多:家でペットが飼えなくて、友だちのわんこを見ているだけでは我慢できない人に。
においもしないし、お世話もしなくていいし。
死なないのもポイントかもしれないですね! 引っ越しのときは荷物として運べますし。
あと、おばあちゃんとか年配の人にあげるのも絶対いいと思います。
うちのおばあちゃんが、しゃべるぬいぐるみを子どものように大切にしていて。コミュニケーション相手になっていいですよね。ぜひクリスマスのプレゼントに!
――クリスマスといえば、最近はクリスマスに印象的なことはありましたか?
本多:ここ数年は大親友の声優、山中沙織とクリスマスを一緒に過ごしていて。お互いに「お前に相手ができたら、見送るから」って言ってるんです(笑)。いつ卒業できるんだろう……。
――ちなみに今年のクリスマスのご予定は?
本多:山中沙織と過ごす予定です(笑)。
■「私、幸せになります!」
――最後に、2020年の抱負をお聞かせください。
本多:去年はラジオで「恋愛」って言った気がする(笑)。2020年はどうしようかな……。
「結婚」って今まで何度も言い続けてきたのでそろそろ別のやつにしないとなあ……。
えーっと……「幸せになる」で! 私、幸せになります!
笑顔で宣言する本多。左手の薬指には、『ゆびわんこ』が輝いていた。
■おまけ:なぜ結婚したと思われるのか?
インタビュー後沖本は、本多にオファーする発端となった勘違いの原因を尋ねてみた。
沖本「そもそもなぜ、結婚していると思われることが多いのでしょうか」
本多「多分ですけど、私が『結婚したい』と言い過ぎたせいじゃないかと。検索で『本多真梨子 結婚』で調べる人が多くなっちゃって」
さらに本多は、自身の婚活ツイートにも改めて言及した。
1年間、本多、婚活してました。そして、やめました…。人は無理やり好きになるものではない…と、悟りました。#ほんとだ #agqr pic.twitter.com/JUQZiVms00— 本多真梨子 (@honda_mosamosa) July 29, 2018
本多「たしかに婚活をしていた時期があって、それをやめた報告はしました。……あ、それで成功したと思われていたのか! あれは単に“私には婚活はムリだ! 疲れた!”と思っただけです!」
そう語りながら、『ゆびわんこ』をなでる本多。その癒しパワーは絶大だ。
ある意味正しい人選だったのでは、とホッと胸をなでおろす編集部一同だった。
協力:『ゆびわんこ』(セガトイズ)
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