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「多少叩いても虐待扱いしないで!」 車道に飛び出す子どもに悩む母親 「1万回言っても無理なもんは無理」

2019年12月11日 10:52  弁護士ドットコム

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しつけと称して、子どもに暴力をふるう「虐待事件」があとをたたない中、厚生労働省がこのほど、どのような行為が体罰にあたるのかを示した「ガイドライン案」をまとめた。このガイドライン案をめぐっては、インターネット上で賛否の声があがっている。


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これまで、しつけと体罰の違いは明確にされていなかった。ある30代女性(2児の母)は「無理なものは無理」と、体罰を必要悪ととらえたうえで、子育ての苦労を漏らしている。はたして、どんな背景があったのだろうか。



●「本当は私だって叩きたくない」

子どものしつけをめぐっては、ことし10月に、道路に飛び出した子どもを「平手打ち」で叱ることの是非について、インターネット上で議論が起きていた。



きっかけは、ツイッターに投稿されたドライブレコーダーの映像だ。



どこにでもあるような生活道で突然、自転車(あるいは三輪車)に乗った2、3歳くらいの子どもが飛び出してくる。ブレーキが間に合って、事故は発生しないが、母親らしき女性が現れて、子どものもとに駆け寄り、その頭部に平手打ちする。



このケースについて、弁護士ドットコムニュースでは、次のような法律解説の記事をまとめた。



・道路に飛び出した子どもに「平手打ち」、親のしつけ? それとも虐待?
https://www.bengo4.com/c_23/n_10292/



この記事を受けて、3歳5カ月の男の子を持つ30代女性が、自身のフェイスブック上で「車道や駅のホームで飛び出そうとする度に叩いて、やっと飛び出さなくなった」「本当は叩きたくない」と苦労をつづった。



専門家に診てもらったところ、「かなりやんちゃ」だが「発達障害ではない」と言われたそうだ。現在、ほとんど悪さはしなくなったという。



女性は「どんなに悪さばっかりしてもやっぱり可愛くて仕方ない我が子です」「よその元気有り余るやんちゃな子供を育ててるお母さんたちだって、同じ気持ちのはずです」と話す。



●「1万回言っても無理なもんは無理です」

以下では、女性の許可を受けて、投稿の一部を掲載する。



「はっきり言って、1万回言っても(年齢の問題で)無理なもんは無理で、危ないこと好きな子は何でもするのです。



・歩道のない道路を歩いたときにトラックが来たらトラックの正面に向かってダッシュ



普段手を繋いでいても、車が全然こない場所とかだとめちゃめちゃ嫌がってひっくり返って暴れだすので、車が来なさそうなときは手も離すときとあります。そんなときに車が見えたら全力疾走しだします。



・駅のホームにつけば線路に向かってダッシュ



・同年代のお友達と遊ばせても、お友達にハグをしようとして、何故かいつもお友達の首を締めてしまう。



『子供が小さいうちは絶対子供から目を離すな』とよく聞きますが、それもぜっっったいに無理です。



スーパーのレジで財布からお金を取り出してる一瞬の隙に外に飛び出す息子です。



大体、子どもから目を離してはいけないのであれば、どうやって親はトイレに行って、お風呂上がりにタオルで自分の身体もふけばいいのですかと言いたくなります」



●「手探りで子どもと一緒に成長していきたい」

「車道や駅のホームで飛び出そうとする度に叩いて、やっと3歳3カ月で飛び出さなくなりました。お友達の首を絞めることもやっとつい最近くらいから激減しました。



本当は私だって叩きたくありません。



でも、口で言ってただけだと息子の場合は500パーセント無理です。大人がいくら口で言ってもずっとヘラヘラ笑ってます。



最初から叩いて育てていたわけではないんですが、2歳過ぎたころから本当に危ないときは叩くようになりました。



また、息子を叩いたあとは、同じくらいの強さで自分のことも叩くようにしています。叩く強さの加減もしないといけないし、息子ばかり叩かれては可哀想なので。。



手を出さない教育をしたくて育児本だって何十冊か読みましたし、実践できるものは片っ端から試しましたが、無理なものは無理でした。



我が家で一番有効だったのは、私が手を出す役割で夫は絶対に叩かない立場にいること、子供を強く叱ったあとは必ず抱きしめること、そして毎晩寝る前に『大好きだよ』って本人が満足するまで何十回もいうことでした。



母親としてはまだまだ至らないところばかりだとわかっていますが、手探りで子どもと一緒に成長していきたいと思っています。



結論:多少叩いたからって何でもかんでも虐待扱いしないで!怪我するくらい強く叩くのはダメだと思うけど」



●「頬を叩く」「長時間正座をさせる」は「体罰」にあたる

厚生労働省のガイドライン案(12月3日発表)は、ことし6月に改正された児童福祉法などで、親による子どもへの体罰の禁止が明記されたことを受けたものだ。



子どもの健やかな成長・発達において「体罰は必要ない」と強調しており、次のようなケースは「すべて体罰にあたる」と例示している。



・口で3回注意したけど言うことを聞かないので、頬を叩いた
・大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた
・友達を殴ってケガをさせたので、同じように子どもを殴った
・他人のものを盗んだので、罰としてお尻を叩いた
・宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった



一方、子どもを保護するためにおこなった「道に飛び出しそうな子どもの手をつかむ行為」や「他の子どもに被害を及ぼすことを制止する行為」は、体罰にあたらないとしている。



このガイドライン案の発表を受けて、インターネット上では、「体罰なしでもしつけはできる」「悪いことをしたならどついてしつけるのが当たり前」などと、賛否の声があがっている。