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小田和正と豪華アーティストが名曲披露 恒例番組『クリスマスの約束2019』収録レポ

2019年12月04日 04:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)TBS

 シンガーソングライター・小田和正による、クリスマス恒例のTBSのコラボレーションライブ番組『クリスマスの約束2019』の収録が神奈川県・横須賀芸術劇場で行われた。会場には3万通を超える延べ10万人の応募から選ばれた幸運な1600名が集まった。


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 冒頭、小田が岩手県小岩井駅で小学生と会話を交わすシーンが放映された。「『クリスマスの約束』に出てましたよね?」小学生たちがそう話しながら小田に駆け寄る。いまや小田の代名詞の一つともなった同番組。実は去年は開催されず、2年ぶりの復活となった。会場が小田の地元である神奈川県横浜市の隣、横須賀市であることを受け、「マイホームタウンを突き抜けて、横須賀にやって参りました!」と宣言。その後小田が一人ずつゲストを呼び入れると、スキマスイッチ・常田真太郎&大橋卓弥、いきものがかり・水野良樹、清水翔太、熊木杏里、松崎ナオ、矢井田瞳、JUJU、TRICERATOPS・和田唱、STARDUST REVUE・根本要、KANという、錚々たるメンバーが登場。ゲスト11人と共に「きよしこの夜」を響かせ、会場はクリスマスモードに染まった。


 番組初登場の松崎ナオは、小田が『ドキュメント72時間』(NHK総合)のテーマ曲で歌声を聞き、出演をオファーしたという。実は松崎の父親は、オフコースが初めて所属した事務所の社長であるという秘話を小田が明かし、会場からは驚きの声が上がった。 続いて同じく初登場のKANは、いつも歌詞をお酒を飲みながら書くため、どうやって書いたか覚えていないと明かし、会場は笑いに包まれた。「こう見えても理性の塊なので柔らかくして書く」と曲作りのコツも明かされた。そして代表曲「愛は勝つ」を一部サプライズで披露。小田が止めに入るという脚本があったそうだが、じっくりと聴き入り、「そう簡単にいかないよね」と笑っていた。


 その後登場したのは、小田・根本・大橋・常田・水野の5人からなる“委員会バンド”。歌う前から明るいトークに花が咲く中、時が経って自分の歌のような気がする、と小田が感慨深く語り、チューリップの名曲「心の旅」をカバー。その後、委員会での曲作りのエピソードも明らかに。一番歌詞にうるさかったのは小田で、指示代名詞ににまでこだわっていたと水野が話した。そんな中生まれた新曲もこの日初披露された。


 続いて、今回で3回目となる和田唱との「ムービーメドレー」へ。和田は、今年亡くなった父・和田誠について、釣りや登山には連れて行かれなかったが、映画にはたくさん連れて行ってもらった、と振り返った。小田も、いつかCDジャケットをお願いしたかった、とコメント。メドレーの披露を前に、和田は会場に口笛をレクチャー。場内には思い思いの口笛が響きわたり、口笛の合唱という珍しい光景が広がった。その後、満を持してメドレーへ。スクリーンには各映画の写真が流され、映画好きはさらに楽しめる演出だ。後ろに座っている出演者たちがノリノリで聞き入っていたのも印象的だった。先ほど練習した口笛の合唱も成功し、10分を超える映画メドレーを完走。最後に二人は固い握手を交わしていた。このメドレー内には、小田が「少し前なら歌えなかった」と吐露した有名映画主題歌も。どの曲なのか、ぜひ放送でチェックしてみてほしい。


 「今年も出演できて嬉しい」と語ったJUJUらとの一曲には「昔の曲を聴くとホッとする」という小田らしい、往年の名曲が選曲され、聞き応え抜群。そして最後のパートナーは清水翔太。小田は今年の夏、ネットで清水が「この日のこと」(『クリスマスの約束』のテーマ曲として制作された楽曲)をカバーしているのを見たと言い、『クリスマスの約束』がこの歌から始まったことを思い出し、この曲で締めくくりたいと思ったと話した。同曲は当時デビュ一1年目だった清水が同番組で歌った曲でもあり、それ以来清水の心にずっと心に刺さっていたという。〈その時きっと振り返るだろう 今日という この日のことを〉まさにこの先振り返りたくなるような、贅沢な一夜だった。3時間を超える収録の間、ステージでアーティストとトークをし、歌い続けた小田の体力に、素直に脱帽した。そして若い世代には聴き馴染みのない昔の曲も、聴きやすいアレンジで披露され、音楽のリレーを繋いでもらったような気持ちがした。小田の変わらぬ歌声は、いつの時代も胸を打つ。小田をはじめ豪華アーティストたちが名曲を奏でる『クリスマスの約束2019』は、12月25日深夜24時10分から。(深海アオミ)