終身雇用の崩壊や人材の流動化が叫ばれ、転職に対するハードルがここ数年で下がってきている。ただ、ブームに乗って転職したものの「やっぱり前の職場のほうが良かった」と後悔する人も少なくなさそう。
ガールズちゃんねるには12月1日、「辞めた職場に戻れますか?」というトピックが立った。トピ主は転職先が性に合わず、あと3か月勤めても慣れなければ辞めようと思っているという。そんな折、前の職場の求人を発見して「前職に戻りたい」という思いが生まれたようだ。(文:石川祐介)
「円満退職だったから何とかなる」は甘い?
円満退職だったため、出戻りでも何とかなるだろうと考えているトピ主に対し、
「バイトなら良いけど正社員は無しだと思う。ワガママじゃない?」
「私が採用側なら再雇用はないな。何かしら不満があって辞めた人を戻さないよ」
といった厳しい指摘が寄せられた。「一度辞めた人ともう一度仕事をするのは嫌だ」と考える人は多いのだろう。
また、「転職するくらいだから職場に不満があって辞めたんだろうし、今の職場が辛いだけで前の職場を美化してしまってるだけじゃないかな」とトピ主の考えは早計だと指摘するコメントも。まだ転職して間もないため、前の職場と比較して居心地が悪く思えているだけかもしれない。
さらに、
「トピ主が辞めて求人を出さなきゃならない費用が発生しているんですよ」
とトピ主の辞職が原因で発生した、求人情報の掲載コストを指摘する声もあった。わざわざ費用を払って求人を出した挙句、欠員の原因となった本人が応募してきたとなれば人事の心情は複雑だろう。
「戻ったら本気で喜ばれるかも」という声も
一方、「一から教えなくても良いから、こっちも助かるので良いと思います」と出戻りだと教えることも少なく、すぐに業務に取りかかれるといった肯定的な意見もみられた。
「よほど戦力になる人、よほど皆から好かれている人であれば、戻ったら本気で喜ばれるかも」
魅力的な経験やスキルがあれば歓迎されるかもしれない。仮に前の職場で活躍できなくても「現在の職場でこのようなスキルを身に着けました」と売り込めば、他の従業員との差別化が図れ、以前勤めていた時よりも重要な仕事を任せてもらえるかもしれない。
一つの会社でしか勤めていないと、働くことに対する価値観が狭くなり、やがて硬直化しやすくなる。転職と同時に、出戻りのハードルも下げることで、多角的な視点から職場にイノベーションをもたらす可能性もあるのではないだろうか。