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『テラスハウス』東京編:第21~24話ーー愛華と花の口論は“嫉妬心”が原因?

2019年12月03日 10:21  リアルサウンド

リアルサウンド

『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

 春花と莉咲子による大喧嘩(9th WEEK)のリプレイを見ているような、なんだか既視感のある愛華と花の口論(23rd WEEK)。あのときと決定的に異なるのは、春花のポジションが、当事者から相談相手に変わっている点だろう。同じようなことが起きてこそわかる、春花の成長。香織という“お姉さん”が抜けてからの春花といえば、彼女自身が言うように「相手に興味を持ちはじめた」ように見えるし、何より“人の相談に乗る”機会が増えたように思う。あんなに香織に向かってマシンガントークを繰り広げていた春花が……、とその成長具合にグッとくるのも、『テラスハウス』の醍醐味だ。東京編、21st~24th WEEKでは、その春花の急激な変化をよそに、あるメンバーたちの未熟さが浮き彫りになる。


(関連:激化する愛華と花の喧嘩、根本的な原因は“相手への期待”? 『テラスハウス』第24話未公開映像


■“恋愛における嫉妬”の複雑さ
 恋敵を前にすると、冷静ではいられなくなるのかもしれない。いくら一緒に住んでいたって、大人の喧嘩なんて早々起きるものではないから、そこには“恋愛における嫉妬”のような複雑な感情が入り混じっていたのではないか。そう思ってしまうほど、愛華と花の口論はまったく脈絡がなく始まり、しかし彼女たちの関係性(お互い、凌の話をすると険しい表情を見せるなど)からすると、衝突するのは時間の問題だった。


 愛華が議題として挙げたのは「流佳のことは友だちとしてしか見ていないから、過剰に持てはやすのはやめてほしい」といった花への要望。花は何度か「わかった」と言い、これから気をつける旨の意思を表明するものの、なぜだか解決せずに話はあらぬ方向に。「そう思われても(いちゃついてるように見られても)仕方ない」「いや違うから」という済んだことをああでもないこうでもないと押し問答してしまったことで、終わりのない口論に発展してしまった。なんだか関係がおかしくなったまま進んでいると思っている花の一方で、愛華はもう一度話し合うほどのことではないと凌に伝える。「次、『ん?』って思うことがあったら言っちゃうかも」と24th WEEKで花が漏らしたように、このイザコザはまだはじまったばかりなのかもしれない。


 それもこれも、凌が魅力的すぎることに端を発しているように思う。花がプロレスの大会で優勝すれば、体の疲れを癒すために温泉へ行くことを提案し、最大限に楽しませる。相手の好意に気づいているからか、「優勝したら明日デートしてください」というドラマみたいなお願いにも、「いいよ」と真摯に答えてみせた。普通ならば「優勝しなくても行こうよ」と気軽に言ってしまいそうなところを、相手の気持ちを鑑みて最初から、友人ではなく女性として花を見ようとしているところが、彼の誠実さの現れではないだろうか。「凌さん、ザギンでシースーは?」という愛華の品のない誘いにも嫌な顔ひとつせず応えたり、台所の汚さにイラついても出がけの花には決して愚痴ろうとしなかったり、とにかくよくできた男・田渡凌。彼はこのテラスハウスで、果たして恋をすることがあるのだろうか。


■ペッペ、ついに春花に想いを告げる
 ピンクローズに込められた「はじまったばかりの恋」という花言葉に乗せて、春花への想いを告げるペッペ(24th WEEK)。答えは、もう少し時間がほしいというものだったが、21st WEEKからペッペのことが気になっていると吐露していた春花ならば、その行き着く答えは明白だろうか。その回答を示すタイミングが、ペッペが描く漫画の締め切り前日というこの上なく忙しい時間帯だったからこそ、そこで突きつけられるのは「NO」ではないと予想したい。来週以降、東京編初カップルの誕生(?)に、春花の卒業やペッペの去就、愛華と花の凌を巡る争いの続きなど、目まぐるしく物事が展開していきそうな予感が漂っている。あとは、近ごろ出番の少ない流佳の隠し球、クッキング教室で習ってきた料理の正体も気になるところだ。(文=原航平)