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まさに巨大うどん! アメリカの高校生作「AirPods」型スピーカーが話題に

2019年12月03日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

画像=https://i.redd.it/6gyviwji0rw31.jpg

 今年、日本でも10月末にリリースされ、話題のワイヤレスイヤホンとなっているAppleの「AirPods Pro」。機能的には周囲の環境音を遮断するアクティブノイズキャンセリングやこれまでのモデルよりも圧倒的に向上した音質、さらには通常の周囲の音を遮断するモードを切り替えて、周囲の環境音を耳に通す、外部音取り込みモードなどに多くのAppleファンや音にこだわる音楽好きからの注目が集まったが、一目で以前の「AirPods」との差がわかる部分はといえば、やはりそのルックスだろう。


(参考:『AirPods Pro』は『AirPods』上位機種として適正か? 海外では新デザインが早くもネタに


 従来の「AirPods」といえば、イヤホン本体についた長い柄の部分が装着時に飛び出すようなユニークなデザインになっているため、日本では愛情をもってか、皮肉を込めてか時に”うどん”と呼ばれ、発売以降親しまれてきた。しかし、「AirPods Pro」ではこの部分のデザインが一新。アイコニックなうどん部分は刷新され、装着時の印象はよりスマートなものになっている。つまり、うどんは耳から飛び出しているようには見えないわけだ。


 そんなわけでApple製品ラインナップでは”うどん”は過去の物になりつつあるが、最近アメリカではこの”うどん”こと「AirPods」にただならぬ愛情を寄せる高校生が通称”AirPods Max”と呼ばれる高さ約25cmの巨大なAirPods風スピーカーを自作したことが話題になっている。


 この”AirPods Max”なるスピーカーの作り手はミネソタ州に住むAaron Beckman、17歳。彼が自作したAirPods風スピーカーをオンライン掲示板に投稿したところ、瞬く間に評判を呼び、この記事を執筆している時点で7万8900もの「賛成」と2800ものコメントがついた。


 その中のコメントにはこのユニークな試みに賛辞を送るものもあれば、うどんならぬ、「見かけが完全にヘアードライヤーだ!」といったさらにネタとしていじるものもあるのだが、スレッドに寄せられたコメントは概ね友好的だ(ヘアードライヤーでいえば、確かにDysonが販売している「Supersonic ionic」が頭によぎるデザインではある)。


 そんなわけで、このAaron Beckmanのユニークな試みはネット上で大きなバズを生み出したわけだが、一体彼はどうやってこの”AirPods Max”を作り出したのだろうか? アメリカのビジネスや技術ニュースの専門ウェブメディア「BUSINESS INSIDER」のインタビューによると、彼は自分が通う高校のロボット工学チームを通じて、3Dプリンターを使用し、制作したという。


 そのため、このスピーカーは驚くほど、オリジナルの「AirPods」を忠実に再現しており、まさに高さ約4cmのオリジナル版を6倍ほど巨大にしたバージョンといっても過言ではない仕上がりになっている。また注目すべきはパッと見のルックスだけでなく、その細かなディティールまでしっかりと完コピしている点だ。


 スピーカーの”うどん”の先端、つまり柄の部分には「L」という文字が刻印されており、こちらはオリジナル版でいうところの左耳用を表す部分になっている。そして、スピーカー部分のメッシュ部分は、網戸を使って再現しているという。さらにこちらは、実際にスピーカーとしてもしっかりと機能するようになっており、その部分はAaron Beckman自身が組み立てた”自作スピーカー”になっているそうだ。さらにUSB充電ポートまで搭載しており、一般的なBluetoothスピーカーと同様、このデバイスで音楽を通して聴いて楽しむことができる、というから驚きだ。なお、制作に費やした時間は22時間で、今後は左耳だけでなく右耳分も制作し、ステレオ化することも視野に入れているという。


 現在、Appleは、ヘッドホンブランドの「Beats」を傘下に収め、様々な「Beats by Dr. Dre」のヘッドホンを販売している。今回の”AirPods Max”を見て、個人的には90年代にハウスミュージックのDJたちが愛用していた柄がついたDJ用の片耳ヘッドホンが頭に浮かんだ。最近はファッションにしろ、音楽にしろ、カルチャー全般で90年代のオマージュが目立つ。そういったことを考えると、サイズを適正なものにした場合、そっち方面で”Air Pods Max”の需要も生まれるのでは? とついつい夢想してしまう。ぜひ、「Beats by Dr. Dre」で、片耳ヘッドホンとして”Air Pods Max”的な製品を開発販売してほしいものだ。


(Jun Fukunaga)