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部下と「社内恋愛」でクビになる? 米マクドナルドCEOの解任劇、日本でも話題に

2019年12月01日 09:41  弁護士ドットコム

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上司や部下と交際する人にとっては、気になるニュースだったのではないか。米マクドナルドが11月3日、スティーブ・イースターブルック社長兼最高経営責任者(CEO)を解任したと発表した。


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BBCなどの報道によれば、同社は「幹部が部下と親密な関係になることを禁じる規定」があり、同氏の解任理由は「部下と恋愛関係を持った」ためだという。1日、取締役会が投票で決定していた。



この報道を受け、日本では「不倫でもないのにダメなんて、アメリカは厳しい」と驚きの声が上がっていた。日本でも、米マクドナルドと同様に、社員との親密な関係を禁じたり、違反を理由に取締役を解任することは可能なのだろうか。 高木由美子弁護士に聞いた。



●評価の公正性など「円滑な業務が難しくなる可能性」

幹部社員と部下の恋愛を禁止することが可能なのでしょうか。



「結論から言えば、就業規則等で規制すること自体は認められると思います。恋愛関係になることにより、社内評価の公正性が疑われたり、無用の情報が漏れたり、周囲が気を遣うなどして、円滑な業務遂行が難しくなる可能性も否定できません」



規則に違反したことで、取締役を解任することに問題はありませんか。



「そもそも取締役の解任については、特に理由がなくても、株主総会決議で解任することができます。しかし、その解任に正当な理由がない場合には、会社は解任によりその取締役が被る損害(任期中の報酬や賞与等)を賠償しなければなりません。



社内恋愛を理由にした解任の正当な理由とは、その取締役の社内恋愛が業務に支障をきたしたかです。



例えば、その恋愛が不倫で情報が社内や取引先に知られてしまい会社の風紀が乱れ社員の士気が下がったり、会社の社会的評価が下がったりしたという事情があれば、解任の正当理由があるといえるでしょう」



●一般社員の社内恋愛、解雇を認める・認めない判例

一般社員については、どうでしょうか。



「一般社員の場合は、解雇そのものに正当性、相当性が必要です。



社員の社内恋愛について判例では、解雇を認める判例と解雇を認めない判例の両方が存在します。その判断の基準としては、社内恋愛をしたことだけでは、解雇にはなりませんが、それにより会社の名誉や信用を失墜させたときや会社の風紀を害しまたは秩序を乱したときに該当する場合は、解雇が認められる場合があるようです。



もっとも、社内恋愛による社内外への影響は、取締役の方が大きいと思いますので、取締役解任の正当理由の判断に比べ、一般社員の解雇の判断の方が、厳しい、つまり、社内恋愛により業務に大きな支障が出ているような事情がないと、一般社員の解雇の正当性は認められないと思います」




【取材協力弁護士】
高木 由美子(たかぎ・ゆみこ)弁護士
第一東京弁護士会所属。米国・カリフォルニア州弁護士
事務所名:さつき法律事務所
事務所URL:http://www.satsukilaw.com/