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イーロン・マスク、『Cybertruck』発表会の“窓ガラス破壊”に言及「鉄球を投げてからドアをハンマーで…」

2019年11月30日 09:51  リアルサウンド

リアルサウンド

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 Teslaは11月21日、米国カリフォルニア州で、新型電気ピックアップトラック『Cybertruck』を披露した。甲殻類のような外骨格型のボディが特徴的で、防弾仕様になっている。


(参考:「脳からスマホを直接操作する装置」2020年に臨床試験開始へ 一部では疑問の声も


 発表会場に颯爽と登場したTeslaのイーロン・マスクCEOとデザイナーのフォンホルツハウゼン氏。どれだけ頑丈かを実演するために、鉄球を窓ガラスに投げつけると、見事にクモの巣状の亀裂が走った。同デザイナーは「強すぎたかな」といって、もう1枚の窓ガラスに軽めに投げても、やはり、しっかり割れてしまった。マスク氏は笑顔で「貫通は、しなかった」とフォローした。


・「Tesla株下落」も、話題呼び「予約殺到」の逆転現象
 この“事故”を受けて翌日、Teslaの株価は6%以上、下落した。イーロン・マスク氏は、以前にもエイプリルフールで「Tesla全面破綻」を発表し、株価の大暴落を招いたことがある。


 米国では、飲料メーカーの缶といった大して強度が必要のない商品に、物を投げて実演する動画がSNSにアップされ、完全に“ネタ”にされている(参考:https://www.cnbc.com/2019/11/28/elon-musks-cybertruck-is-being-trolled-by-brands-on-twitter.html)。


 この反響もあってか、『Cybertruck』には予約が殺到しており、マスク氏は11月24日には、得意げに「予約25万台突破」をツイート。何とも破天荒なマスク氏らしい展開だ。


・鉄球で窓割れた理由
 マスク氏は、『Cybertruck』の窓ガラスが壊れた理由についても説明。「ハンマーのドアへの衝撃で、ガラスのベース部分が割れたため、鉄球を跳ね返すことが出来なかった。鉄球を窓に投げてから、ドアをハンマーで叩くべきだった。次はそうするよ」


 マスク氏は、また特徴的なボディのデザインについても言及している。「『Cybertruck』が平べったいのは、超硬30Xスチールでは、プレス機が壊れてしまうから。曲げるのさえ大変」とのことだ。


 車は通常、フレームが内側にあり、近頃は流線型のデザインが主流になってきているが、『Cybertruck』は外側にあり全く異なる。この構造が、デザインに大きく影響を与えているようだ。


・防弾仕様の装甲車両ながらスポーツカー並みの走力、価格は手頃
 『CNN』は発表会の内容に基づき、『Cybertruck』の仕様を詳述している(参考:https://edition.cnn.com/2019/11/22/cars/tesla-cybertruck-electric-pickup-truck/index.html)。


 車体は、少なくとも小型の銃であれば弾丸は通さないという。ボディをハンマーで叩いても簡単には凹まない。『Ford F-150』より牽引力があり、スポーツカーとしても『Porsche 911』より優れているという。


 3個の電気モーター・全輪駆動の最高級モデルでは、約1.5トンを積載、6トンを牽引可能だ。また、2.9秒で時速96KMに到達し、1回の順電で800KM走行する。


 この性能で、価格は69,900米ドルだ。下位モデルでは、走行距離は半分になり、性能は落ちるが、39,900米ドルからで、Ford F-150より10,000米ドル上乗せするだけだ。自律運転も7,000米ドルでオプションとして付けられる。因みに予約には、前金100米ドルが必要だ。


 生産開始は、2021年後半、最高級モデルは2022年の予定だ。Teslaの電気自動車は世界の路上の風景を変えたが、『Cybertruck』は、さらにその傾向は顕著になっていくだろう。


(Nagata Tombo)