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少年少女が時空を超えて戦うSFジュブナイル『十三機兵防衛圏』発売 異なるゲームシステムを楽しもう

2019年11月29日 08:31  リアルサウンド

リアルサウンド

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 アトラスは11月28日、PS4用ソフト『十三機兵防衛圏』を発売した。


 『ドラゴンズクラウン』や『オーディンスフィア』など、名作2Dアクションゲームを生み出してきたアトラスとヴァニラウェアのタッグで生まれた本作。内容は13人の少年少女が織りなすSFジュブナイルで、等身大の人間像を描きながらも、人類が迎えてしまう終焉や組織の陰謀に惑わされる人々の姿など、謎を多分に含んだシナリオが時代を超越して繰り広げられていく。


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 また、公式がシミュレーションアドベンチャーと銘打っている通り、テキストを読みながら物語を進めるADVパートと、「機兵」と呼ばれるユニットに乗り込んで敵と戦うSLGパートに分かれているのが特徴。本稿ではゲームシステムの異なる「追想編」「崩壊編」にフォーカスし、本作が持つ魅力を伝える。


・濃密なテキストと美麗なビジュアルを楽しむ「追想編」
 追想編でプレイヤーに与えられた目的。それは13人の主人公を操作し、地球外から飛来した「怪獣」の危機に対抗するべく、物語に隠された謎を解明すること。本パートでは第二次世界大戦の最中からタイムスリップしてきた軍人や、はたまた40年近い未来からの来訪者まで、それぞれの時代を生きる者たちが1985年の日本に集結する。


 そうした登場人物たちの個性や特徴も様々。特撮映画に目がない男子高校生を筆頭に、オカルト好きの女子や、覚えのない殺人容疑で逃げ惑う記憶喪失者など、どれもキャラクター性が濃密に描き込まれている。同様に各シナリオもテイストが異なるため、別々の視点から体験した際に気づく物語の多様性に驚かされるはずだ。


 加えて追想編で特筆すべき要素が「クラウドシンク」。これはキャラクターが会話やイベントを通じて覚えたキーワードを別のシーンで活用するシステム。使い所やタイミングに応じて物語が分岐することもあり、本作の根底にある重厚感の演出として機能している。総じて追想編はビジュアルノベルを読み進めるかの如く、テキストやキャラクターの立ち居振る舞いを目と耳で感受する場所……と形容できるだろう。


・巨大機兵vs機械怪獣のカタルシスを味わう「崩壊編」
 追想編と呼応する形で進行するのが、街を襲う怪獣を巨大な機兵で撃退する「崩壊編」。こちらはリアルタイム性を伴ったシミュレーション仕立てとなっている。戦闘はキャラクターの行動を逐次選んでアクションさせるコマンド形式。マップ上に群れを成した怪獣にターミナル(防衛拠点)を破壊されないよう、兵装の違う機兵を操って戦う。プレイ後は経験値によってキャラクターがレベルアップし、機兵もアイテムを用いて大幅な改修が可能。追想編に勝るとも劣らないやり込み要素を備えている。


 臨機応変にユニットを操作する必要こそあるものの、難易度は「カジュアル」「ノーマル」「ストロング」の3つから選べるのでシミュレーション初心者でも安心。自分のプレイスタイルに合わせて適切な難易度を選択しよう。


 ここで押さえておきたいのは、人間と相対する怪獣について。イメージとしては特撮作品『ウルトラマン』シリーズに登場する古代恐竜をモチーフにした怪獣というより、全身が鋼鉄で覆われた機械生命体に近い存在だ。なぜ人間を襲うのか?どこから現れたのか?どのようにして生まれたのか? あらゆる謎が蔓延る中、巨大兵器で怪獣を豪快に蹴散らす爽快感は崩壊編でしか味わえないカタルシスだ。


 そのほか、ゲーム中に登場した専門用語や知識をまとめて閲覧できる「究明編」も実装。過去と未来の先にたどり着く真相は人類を救うのか。シミュレーションアドベンチャー『十三機兵防衛圏』は、PS4向けに11月28日より発売中だ。


(龍田優貴)