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Twitterが“休眠アカウント一掃”発表も、直後に「故人への配慮を怠った」と謝罪

2019年11月29日 08:31  リアルサウンド

リアルサウンド

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 Twitterは12月11日以降、6カ月以上ログインされていない「休眠アカウント」の削除を開始すると発表した。Twitterがこのような大規模なアカウント整理を発表するのは初めてのことだ。しかし、その方針発表直後に、亡くなった人のアカウントに対する配慮が足りなかったことを謝罪し、削除については一旦保留するというドタバタ劇となった。


(参考:Twitterが世界的に政治広告を禁止 Facebookと対立&トランプ陣営は猛反発


・削除することでフォロワー数の信憑性が向上
 『BBC』が速報した内容は、次のようなものだ(参考:https://www.bbc.com/news/technology-50567751)。


 Twitter広報は、今回の処置の理由について、ログインしていないユーザーは、更新されたプライバシーポリシーに同意できないためだと説明。ユーザーのフォロワー数から休眠アカウントを削除することで、信憑性が向上すると付け加える。休眠アカウントにより、実態の数字以上より多いという印象を与える可能性があるからだ。


 Twitterは、過去6カ月間に少なくとも1回ログインしたかどうかを基準にしている。ユーザーが本来使いたいアカウント名が、休眠アカウントによりブロックされているという主張が以前からあるが、それらを開放するためではないとしている。


 将来的に、ログインしているがプラットフォーム上で何もしないアカウントも、削除対象として検討すると述べた。Twitterは、削除の対象となるアカウントのユーザーにメールを送信し通知する。


 なお亡くなったユーザーのアカウントは、遺族等の手元にログイン情報があり、サインインしてTwitterの更新されたプライバシーポリシーに同意しない限り、削除される。


・批判受け「故人アカウント削除しない」と謝罪
 今回の処置は、通知から削除開始まで約2週間と期間が極端に短い。また故人のアカウントは、生前の様子を窺い知ることができる非常に貴重な記録とみなされるようになってきている。最愛の人を失い、今度はなす術もなく、Twitterアカウントも失うというのは、二重の悲しみだ。遺族や著名人をフォローしていたファンが動揺したことは、想像に難しくない。


 その遺族らの声を聞いたTwitterは11月27日、故人が使用していたアカウントを記録する手段を提供しない限り、アカウントは削除しないとし、謝罪したことを『CNN』が伝えている(参考:https://edition.cnn.com/2019/11/27/tech/twitter-inactive-account-delete/index.html)。


 Twitterは「亡くなった方に与える影響について耳にしました。それは弊社のミスでした」と謝罪。あくまで今回のアカウント整理については、頻繁にログインすることを促すことも意図していたという。また、行政側から、不正使用されやすいフェイクのページやフィードへ対処すべきとの声が上がっていたという背景も明かされた。


 今回の件について、Twitterは「運営の痕跡がないアカウントに関するポリシー」というページに日本語の説明を掲載している(参考:https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/)。


 ひとまず削除はされないということだが、発表後に実行に移すまでが早いTwitter社の動きには、今後も注意が必要だ。


(Nagata Tombo)