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草なぎ剛、“ギター弾き語り”という新たな表現方法に興味津々「違う自分の感情が出てくる」

2019年11月29日 04:01  リアルサウンド

リアルサウンド

草なぎ剛(写真=新保勇樹)

 11月27日、28日昭和女子大学人見記念講堂にて『草彅剛のはっぴょう会』が行われた。新しい地図として活躍の幅を広げる草なぎ剛が、これまで書きためてきた楽曲をお披露目する機会となった本公演。11月27日は奥田民生と和田唱(TRICERATOPS)、28日は斉藤和義、田島貴男(ORIGINAL LOVE)という豪華ゲストも出演し、各日2000人、計4000人を動員した。28日の終演後には、公演を終えたばかりの草なぎがマスコミ向けの囲み取材に応じた。


 「思いを伝えて、作品として曲を作って、会場に来てくれた人の気持ちが動いてくれたりすることが音楽ってことなのかな。今までも音楽にふれてきてコンサートもやってきたけど、自分の中では新しい音楽の世界に飛び込んだなって気持ちです」と、まずは歌とギターという新たな表現方法について語る草なぎ。


(関連:草なぎ剛が音楽を通して伝える思い 『はっぴょう会』開催を前に改めて考える


 記者からギターの腕前が上達したが、どのくらい練習したのかを尋ねられると、ギターを始めて7年ほぼ毎日さわっているが、一般的にも難しいと言われるFのコードがいまだにおさえられないと嘆く。「不思議な話で悔しくて。練習と思ってないというか、常に自分のそばにギターがあって……つまり練習してないんでしょうね(笑)。だから7年経ってもFがおさえられない」。両日のオープニングで歌った「はっぴょうかいのテーマ」は、4つのコードしか知らない、Fがおさえられないという歌詞が出てくる曲。27日は本当におさえられなかったそうだが、28日には無事クリア。「ちょっとずつ進歩してるのかな」と自身の成長を喜んだ。また、「“Fの壁”ってあって、そこで挫折して辞めてしまう方が多くて。でも僕はすごくむかつくんですよ(笑)。その怒りをパワーにかえてロックしたいと思っています」と負けず嫌いな一面ものぞかせた。


 草なぎは、これまでアイドルとして、数々のステージに立ってきた。ギターを持ってステージに出ることの緊張感、見える景色の違いについては「今日も田島(貴男)さんがおっしゃってましたけど、“自分でリズムをつくる”っていうのは、誰かが弾いてくれたり音源の中で歌って踊るっていう感覚とは違う。まったく本当に新しい感覚で。それゆえにいままで歌もやってきたんだけど、違う自分の感情が出てくる感じがあるので楽しいなと思います」と話した。


 また、本公演は、草なぎの私物のジーンズなどの洋服やバイクなどのビンテージ品がところ狭しと並べられた豪華なアメリカンスタイルの舞台セットにも目を奪われた。ステージに置かれた品々の総額は2億円にも及ぶという。「買ったときの価格なので今は2億では売れない。でも本物のビンテージしか置いていないです。僕の人生が詰まってるなって」。ほとんどが私物のため、朝から搬入を手伝い、レイアウトも自身で考えたというこだわりぶりだ。実は冷蔵庫も持ち込んだが配置する時間がなく、今回はやむなく諦めたという裏話も。「古いものがいいってわけではないけど、(本物だけが集められたこの舞台セットを)ずーっと見ていられるんですよ。だけど一つだけ偽物は僕の歌とギターテクニックなんだなって一瞬やる前に途方に暮れました(笑)。僕もいつか本物のギターを弾けるようになりたい。本物のギターの弾き語りの方っていうのはこういうことなんだ、と今回一番近くに感じられたので、なにかこれから僕の中で血となり肉となり、みなさんに届けられる僕に生まれ変われたらと思っています」


 最後に曲を制作する際のインスピレーションについて聞かれると「なんか好きなんでしょうね、言葉遊びとか。だから自分で言うのもなんだけど、むいてるんじゃないかなって思うことがあって。あまり難しいことを考えない性格なので、うまくメロディにはまりやすい言葉が適当に浮かんでくるので、遊びながら作ってますね」と答えた草なぎ。一方で、「『はっぴょう会』ってひらがなのタイトルなんですけど、真面目に取り組んでいるので。これからも続けていきたい」と今後の開催についても意欲を見せた。


 なお、リアルサウンドでは、近日中に28日公演のレポートを掲載予定だ。(久蔵千恵)