日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所は11月下旬、「メンタルヘルスの取り組み」に関する調査結果を発表した。調査は今年7~9月に郵送で実施し、上場企業226社から回答を得た。
「心の病」が最も多い年齢層については「30代」(33.3%)が最多。次いで、「10~20代」 (30.6%)、40代(29.6%)と僅差で続いたが、「50代」(6.5%)は著しく少なかった。
心の病、減少傾向の企業6割で「生産性が向上」
最近3年間における「心の病」の増減傾向を聞くと、最多は「横ばい」(54.7%)だった。次点で多かったのは「増加傾向」(32%)。2006年以降減少し続けていたが、今回は2年前の前回調査から7.8ポイント上昇した。このほか、「減少傾向」(10.2%)、「わからない」(3.1%)とした企業もあった。
次に「心の病の増減傾向」「組織の状態」「取り組み」の項目をクロスさせて集計したところ、「心の病が減少傾向」と回答した企業では「生産性が向上している」(60.9%)という回答が「横ばい」(50%)や「増加傾向」(49.2%)と回答した企業よりも多かった。
同じく「減少傾向」とした企業では「健康経営に効果」(減少:52.2%、横ばい:40.6%、増加:38.6%)、「長時間労働に効果」(減少:82.6%、横ばい:66.7%、増加:60%)、「場所に縛られない働き方改革に効果」(減少:43.4%、横ばい27.6%:増加25.1%)といずれの項目でも高い割合を示した。
「ストレスチェック制度の課題」を聞くと、最多は「集団分析結果の活かし方」(64.6%)だった。2位以降は「医師面接勧奨者が面接を希望しないこと」(39.8%)、「高ストレス者への面接以外のフォロー」(37.2%)、「集団分析結果の周知の範囲と方法」(28.3%)、「職場環境改善における現場の理解」(27%)、「従業員への周知・実施への理解」(22.6%)だった。