小説『82年生まれ、キム・ジヨン』が11月26日時点で13刷を記録。累計発行部数15万部を突破した。
同書は2016年に韓国で刊行され、100万部を突破したチョ・ナムジュの小説。IT関連の中堅企業に勤める夫と子供と共に韓国・ソウルに住む主人公キム・ジヨンが、ある日を境に自分の母親や友人の人格が憑依したように振る舞い始めるというあらすじで、著者のチョ・ナムジュが経験してきた様々な理不尽や不平等、女性であるがゆえの困難が描かれている。
日本では昨年12月に刊行され、2019年1月から6か月連続で海外文学部門の売上第1位を獲得。10代から60代以上までの女性が手に取っているほか、読者層の2割を男性が占めているという。中国では9月に翻訳刊行され、オンライン書店「ダンダン」でベストセラー小説部門1位を記録。アメリカ、イギリス、フランス、ベトナムなど18の国や地域での翻訳化を控えている。
著者のチョ・ナムジュは「もしかしたらこの小説は、もっと広い世界に触れたいという気持ちから始まったのかもしれません。個人の考えにも社会通念にも慣性によって動く性質があり、境界を越えることは意外にたやすくありません。けれども今、私たちは境界を押しのけ、境界を越えて、互いに出会っています。日本の読者が韓国の女性の生き方を書いた本を読んで日本の女性の人生について語り、その声をまた韓国の読者たちが聞いています。キム・ジヨン氏のように、私のように、この本を読むことが読者の皆さんにとって世界が広がる経験であれば嬉しいです。平凡な韓国女性の物語を皆さんが読んでくださり、選んでくださり、私をさらに多くの読者と出会わせてくださったことに感謝します」と語っている。
なお、10月23日から同書をもとにした映画が韓国で公開。チョン・ユミ、コン・ユらが出演しており、約1か月で観客数350万人を突破した。日本公開は現時点では未定。