『連続ドラマW パレートの誤算 ~ケースワーカー殺人事件』が、2020年3月からWOWOWで放送される。
『孤狼の血』などで知られる柚月裕子の小説『パレートの誤算』をドラマ化する同作は、ケースワーカー殺人に隠された社会保障の闇と希望を描いた社会派ミステリー。市役所の新人嘱託職員として、本来の希望ではない福祉課で働いていた牧野聡美が、信頼していたベテランケースワーカーの山川が焼死体で発見されたことをきっかけに福祉や市政、医療を取り巻く町の闇に巻き込まれていくというあらすじだ。
牧野聡美役を演じるのは「連続ドラマW」枠初主演となる橋本愛。「主演という立場だからこそできること、やらなければいけないこと、だからと言って気負わない方がいいこと、その全てに向き合って、作品をより良いものにすることに集中したいと思います」とコメントを寄せている。
■橋本愛のコメント
・WOWOW連続ドラマW初主演の意気込み
主演という立場だからこそできること、やらなければいけないこと、だからと言って気負わない方がいいこと、その全てに向き合って、作品をより良いものにすることに集中したいと思います。
・脚本を読んだ感想
まだ一度目を通しただけですが、運命的なものを感じました。作品内に出てくる、働き蟻の法則及びパレートの法則についての文章を読んだ時です。私は高校生くらいのときに、自分の目で人や社会を見つめて、ある法則を見つけました。それを自分の中で、「2:8の法則」と名付けていたのです。内容にいくらかの誤差はあれど、本質的にはかなり近いものが既にこの世界には提唱されていたのだと、度肝を抜かれました。そもそもそれらの法則を知らなかったことは置いといて(笑)、これは自分がやるべきものかもしれない、と吸い込まれるような気持ちでした。
・視聴者へのメッセージ
どうか、希望の光へ一人でも引きずり込めるように、頑張りたいと思います。
■柚月裕子のコメント
・「パレートの誤算」がドラマ化されることについて
この作品は生活保護をテーマにした作品です。登場人物たちは、生活保護を支給する側もされる側も、それぞれに複雑な事情を抱えています。その人物たちが、悩みながらも勇気をもって問題に立ち向かう姿を、ドラマを通して多くの方にご覧いただきたいです。
・ドラマに期待すること
主人公の牧野聡美は、ケースワーカーという仕事に最初は消極的ですが、芯が強く行動的な女性です。たおやかで凛とした佇まいの橋本愛さんが、熱い聡美をどのように演じてくださるのかとても楽しみです。ドラマは小説よりも、聡美と小野寺の関係が丁寧に描かれています。協力しあったかと思えば反発しあったり。事件の捜査とともに変化していくふたりの関係性も、ドラマの見どころのひとつだと思います。
■小林聖太郎監督のコメント
・どんなドラマに作り上げていきたいか
ますます増える貧困世帯への対応と、財政逼迫との板挟みになりながら現場で必死に踏ん張るケースワーカーの日常の姿を、ただ表層的に扱うのではなく微細に描き、かと言って重くなりすぎずにサスペンスとしてワクワク読むことができた原作の読後感を大切にしながらも、ドラマとして新たなものにできればいいな、と考えております。
・橋本愛への期待
夢叶わず、市役所の非正規採用職員として先の見えない働き方を強いられていた女性が、ケースワーカーという職に誇りとやりがいを見出すまでを描く物語において、橋本愛さんが持つ、繊細で芯が強く正義感の強そうなイメージをどう活かし、或いは覆していけるかこれから一緒に試行錯誤できれば……。
・視聴者へのメッセージ
「生活保護」「ケースワーカー」「貧困ビジネス」と言葉が並ぶと、難しそうな、暗そうな、鬱陶しそうな題材に思われるかもしれませんが、何よりも皆様の耳目を楽しませるべく奮闘しておりますゆえ気軽に楽しんでいただければ幸いです。「自己責任」でご覧ください。