パソナグループは11月27日、「就職活動と会社・大学に求めるもの」に関する調査結果を発表した。調査は9~10月にかけてネット上で実施し、就職活動前の大学生および大学院生407人から回答を得た。
経団連が発表した2021年春から「就活ルール」を廃止する方針については、6割が「賛成」(60%)と肯定的な見方をしていた。
男子学生の過半数「定年まで同じ会社で働きたくない」
賛成の理由としては「経団連会員企業を含めた大手企業も実際はルールを順守していないから」(67.2%)、「外資系やベンチャー企業など協定に縛られない企業があるため」(60.7%)に6割以上が回答。このほかには「大学等での活動に支障があるから」(34.4%)、「優秀な一部の学生に内定が集中するから」(27.9%)という声もあった。
また、日本独特の「新卒一括採用」については、66.8%が「賛成」と回答。理由としては「卒業後すぐに働ける」(35.7%)、「みんなと同時にキャリアを始められる」(31.6%)、「就活時期を集中させたい」(31.3%)と考える人が多かった。
続いて、「定年まで同じ会社で働きたいか」を聞くと、「働きたい」(56.3%)と答えた人は過半数にのぼった。男女別にみると、肯定派の男性は48.4%だったのに対し、女性は59.7%と大きく分かれる結果になった。
否定派の理由としては、大多数が「就職を通じたキャリアアップをしたいから」(87%)と回答。次いで、「日本の終身雇用制度はいずれなくなるから」(42.4%)、「一つの会社にしがみつきたくない」(28.8%)、「起業したい」(17.5%)、「専門スキルを身に着ける機会がない」(16.4%)といった回答が挙がった。
大学進学、過半数が「将来を意識しないで選んだ」
大学や学部、選考などの進路選択については「進学の際、将来を意識して選んだ」(48.9%)と答えた人もいた一方、過半数はあまり意識していなかったようだ。
意識しなかった理由としては、最多が「将来の職業のイメージがなかったから」(86.3%)で、以降に「学力に見合った大学を選んだ」(42.6%)、「大学での学びと将来の職業は繋がらないと考えた」(34.3%)が続いた。
また、社会で活躍するために必要と感じた学問を聞くと、「英語」(58%)が最も高く、次いで、僅差で「マーケティング」(50.9%)が続いた。こうした学問を学ぶ機会については、3人に1人が「与えられていない」(32.9%)と回答。理由として「大学に適切な科目がない」(75.4%)、「専攻ではなく授業に参加できない」(64.2%)といった声が挙がった。