エン・ジャパンは11月25日、「同一労働同一賃金」に関する調査結果を発表した。調査は10月にネット上で実施し、派遣社員1131人から回答を得た。
同一労働同一賃金は、働き方改革関連法の一環。「正規雇用と非正規雇用の間の不合理な待遇差を解消すること」を目的に、基本給や賞与、研修制度などの待遇差の解消を目指すとされている。
「同一労働同一賃金を知っているか」を聞くと、「知っている」と答えた人は前年比5ポイント増の28%だった。一方、4割以上は「言葉を聞いたことがあるが詳細は知らない」(43%)と回答。「知らない」(29%)とした回答者も、知っている人の割合を上回った。
「ボーナス貰えるなら働く側のやる気にも繋がる」
同一労働同一賃金の導入に対しては「良いと思う」(71%)と答えた肯定的な見方が多かった。理由としては
「正規でも非正規でも、その人の能力と仕事に対しての結果が評価されるべきだと思うから」(24歳女性)
「同じ仕事内容で同等の責任があるなら、賃金格差があるべきでないと思う」(38歳女性)
などと感じているようだ。また、導入に際して、期待することの最多が「給与が上がること」(69%)。以降は「賞与の支給」(61%)、「交通費の支給」(60%)と続いた。回答者からは
「経済格差を減らすためには、給与を上げることが最重要であるため」(23歳女性)
「ボーナスなど貰えるならやっぱり嬉しい。働く側のやる気にも繋がると思う」(26歳女性)
「非正規雇用には交通費が支給されることが少なく、もしも支給されても一部である場合が多い。全額支給されることを期待したい」(22歳女性)
といった声が寄せられた。
一方、導入の懸念1位は「雇い止めとなること」(45%)だった。2位以降は「派遣の求人数が減ること」(41%)、「仕事の責任や負担が増えること」(38%)という結果だった。
「待遇が同じになると派遣社員を雇いたい会社は減るのではないかと感じる」(26歳女性)
「企業にとって派遣を雇用するメリットが少なくなれば、直接雇用を検討していくと思う」(44歳女性)
「責任や負担を背負いたくないために非正規雇用を選択している人にとっては元も子もない」(22歳女性)
などと不安を感じている人もいるようだ。ちなみに、「仕事上のどのような理由なら待遇の差に納得できますか」を聞いたところ、「仕事への責任の重さ」(69%)が最多だった。このほか「仕事内容の違い」(63%)、「役職の有無」(40%)、「資格やスキルの有無」(37%)といった回答も目立った。