トップへ

鶴瓶が吉田茂&生田斗真が白洲次郎役 テレ東『アメリカに負けなかった男』

2019年11月25日 12:31  CINRA.NET

CINRA.NET

『テレビ東京開局55周年特別企画スペシャルドラマ「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」』 ©テレビ東京
『テレビ東京開局55周年特別企画スペシャルドラマ「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」』が、2020年にテレビ東京系で放送される。

吉田茂の娘・麻生和子の著書『父 吉田茂』を原案とした同作。第2次世界大戦が終わり、敗戦国となった日本を舞台に、大戦に反対して投獄された過去を持つ吉田茂が、白洲次郎や麻生太賀吉、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄、宮澤喜一らに助けられながら日本の独立と復興に尽力していく様を、和子の視点から描く。

主演を務めるのは笑福亭鶴瓶。外務大臣を務めたのち、内閣総理大臣となる吉田茂役を演じる。吉田茂の腹心・白洲次郎役に生田斗真がキャスティング。監督を『Fukushima 50』の若松節朗が務め、脚本を竹内健造、森下直、守口悠介が手掛けた。

鶴瓶は吉田茂について「吉田茂は年を取ると権力にしがみつくようになっていくんですけど、それによって晩年を汚すという部分が、人間味があって更に面白いなと」とコメント。また印象に残っている場面として講和条約を締結して演説の下読みをするシーンを挙げ、「本当に『日本は独立するんだ』って気持ちになって声を出して泣きました。(吉田茂の)そこまでの過程や苦労を踏まえた上で、この“独立”という言葉を見たときに自然と涙が出た」と述懐している。

生田斗真は白洲次郎を演じたことについて「自分なりの日本を愛する気持ちと、何よりも吉田茂という男に惹かれた、歳は離れているんですけど友情に近いような関係性っていうのを、僕と鶴瓶さんの中で出せていければなと」と語っている。鶴瓶が演じる吉田茂について「平和条約の受諾演説を白洲が手渡して、それを吉田が読み上げるっていうシーンを撮ったんですけど、すごかったですね。人のお芝居を見てここまで心震えたことがあっただろうかっていうくらい、感動して衝撃でした」と振り返った。

チーフプロデューサーの中川順平(テレビ東京)は「75年前、戦争に負け、連合国に占領された日本。このドラマは、『その後、何があったのか?』を描きます。未曾有の困難に直面した吉田茂と仲間たちは、いかにしてそれを乗り越え、独立を果たしたのか?これは単なる歴史の昔話ではなく、今現在と地続きの、大いなる『決断』を巡る熱い人間ドラマなのです」とコメントを寄せている。

ドラマにはこのほか、和子をはじめ、吉田親子を支え続けた元芸者こりん、「吉田学校」の池田勇人、佐藤栄作、田中角栄らが登場。キャストは後日発表される。

■笑福亭鶴瓶のコメント
・吉田茂を演じてみて
「吉田茂をやる」と決まった時から声がガラガラ声になってきました(笑)。カメラマンが見せてきた写真を見て「吉田茂は確かにこんな感じやね」と話してたら、「これ鶴瓶さんですよ」って言われて、自分でも(あまりにそっくりで)「えーーー!」ってなって。ヨメさんにも吉田茂さんが降りてきたんじゃないかって言われました。(自分自身も)演じれば演じるほど吉田茂を理解していきました。吉田茂は年を取ると権力にしがみつくようになっていくんですけど、それによって晩年を汚すという部分が、人間味があって更に面白いなと。人間の業を思わせてくれるのがとても良いですね。

・撮影で苦労した点
台本を頂いた時はどうしようかなと思って。英語は丸覚えでどうにかなったんですけど、大変だったのは標準語。
全部覚えてきてんねんけど、一カ所違うといわれたら、どうすればいいのかわからなくなってしもうたりして。だから(生田)斗真がおってほんまによかったですよ。監督も秋田の人ですからね、何か直されても不本意なんですけど、斗真に言ってもらったら聞けるんです(笑)。あと収録で大変だったのは眼鏡。鼻眼鏡だから喋ってる時に落ちそう
になるんですよ。こんなに鼻先に気を使って、アシカの気持ちがわかりました(笑)。

・キャストとの共演について
今作品は共演者も凄く豪華で、ゴールデンで主役やるような方々に囲まれて、キャスティングも頑張ってもらったなと思います。ただ今回は政治の話も出てきますし、長いセリフが多かった。更にイントネーションと何重苦でしたし、周りに迷惑を掛けないように頑張りました。すごく印象に残っているのは、講和条約を締結して演説の下読みをするシーン。本当に「日本は独立するんだ」って気持ちになって声を出して泣きました。(吉田茂の)そこまでの過程や苦労を踏まえた上で、この“独立”という言葉を見たときに自然と涙が出た。しかもこのシーンでは斗真も涙目だったんです。「あ、泣いてるな」って思いながら読み始めたら、こちらも号泣したっていう。普段泣かないので演技で泣くのも珍しいんですが、その中で自然と涙が出てしまうというのは自分でも不思議でした。

・視聴者へのメッセージ
『A-Studio』(TBS)では人の人生を掘り起こすんですけど、今度は人の人生を自分が演じるっていう…そして演じてみると、その人の人生がすごく面白いんですよね。あんな偉大で日本の土台を作った人ですから、“歴史”というより“事実”として見て頂きたいと思います。

■生田斗真のコメント
・出演が決まった時の気持ち
鶴瓶さんが吉田茂をやられるという部分で、非常に心惹かれました。バラエティー番組とかプライベートのお付き合いとかで何度もご一緒しているんですけど、役者・笑福亭鶴瓶に会ってみたいなと思って、作品に参加させて頂きました。やっぱり今の日本という国にとって、吉田茂と白洲次郎という人は欠かせない日本のヒーローだと思っているので、そんな大役を務めるっていうのは身が引き締まる思いだなと思って毎日撮影していました。

・白洲次郎を演じてみて
皆さんそれぞれに白洲次郎像がおありにあると思うんですけど、自分なりの日本を愛する気持ちと、何よりも吉田茂という男に惹かれた、歳は離れているんですけど友情に近いような関係性っていうのを、僕と鶴瓶さんの中で出せていければなと。特に晩年、吉田茂にものを言える人はそんなに多くなかった。でも白洲さんは物怖じせずにきちんと意見を言っていた方だと思うので、その辺の吉田茂との距離感を出せればいいなとは思って。特に何をという訳ではないんですけど、変に気を遣うことのない友情関係っていうものが表現できたらなと思って演じました。

・白洲次郎の人物像とは?
男としてあこがれる存在のひとりだと思うんですよね。外見もすごくかっこいい人だったと思うし、自分の信念を貫き通すっていう部分もそうだし、周りの人間たちが長いものに巻かれていく中で、きちんと「それは違うんだ」「NOだ」ということを叫び続けた人だと思うし、憧れを持ちますね。

・鶴瓶が演じる吉田茂について
平和条約の受諾演説を白洲が手渡して、それを吉田が読み上げるっていうシーンを撮ったんですけど、すごかったですね。人のお芝居を見てここまで心震えたことがあっただろうかっていうくらい、感動して衝撃でした。吉田茂と重なる部分があったし、鶴瓶さんの芝居を見て、撮影現場なんで、どの部署も静かにしてなきゃいけない場面なんですけど、みんなが必死に嗚咽を堪えながら、それぞれの仕事をしているという。瞬間に空気が変わる感じを目の当たりにして、これはちょっと生涯忘れないだろうなというシーンでした。そのシーンを一緒にやれただけで、この作品に参加できてよかったなと思いました。

・視聴者へのメッセージ
日本が、黒船が来航してペリーが来航して、そこから鎖国していた国が開国をして、100年もたたずに日本は戦争という戦乱の渦に巻き込まれていって潰れてしまう…そのもう一つの変わり目が、この時代だったと思うんです。今回は、戦後、日本が独立をしてもう一度立ち上がって、平和な国としてまた 100年続けられるのか、継続する国になれるかということが作品のテーマとしてあるんですけど、世界の情勢とか国内の問題とかある中で、もう一度平和とか、日本という国のことを考える大きなきっかけになると思うし、見て下さった方々に大きなメッセージとして届いてくれたらいいなと思います。

■中川順平チーフプロデューサー(テレビ東京)のコメント
吉田茂と聞いて、何をしたのかすぐ分かる人は、そう多くないと思われます。たいていの人にとっては、「名前を聞いたことがある」や「昔の総理大臣」くらいの存在ではないでしょうか?もちろん私自身もその一人でした。しかし、吉田は単なる教科書上の人物ではありません。むしろ現在の日本に最も大きな影響を与えているのが、吉田茂総理の時代であり、彼の下した「決断」と言っても過言ではないのです。国として自由主義、民主主義を標榜し、アメリカと近い関係で、中国、ロシアとはやや距離感がある。憲法が論議の的となり、米軍基地問題を抱えている… こうした今ある日本の姿は、良きにつけ悪しきにつけ、実は吉田の選択が関係しているのです。
75年前、戦争に負け、連合国に占領された日本。このドラマは、「その後、何があったのか?」を描きます。
未曾有の困難に直面した吉田茂と仲間たちは、いかにしてそれを乗り越え、独立を果たしたのか?これは単なる歴史の昔話ではなく、今現在と地続きの、大いなる「決断」を巡る熱い人間ドラマなのです。
吉田茂を演じるのは笑福亭鶴瓶さん。説明不要の国民的お笑い芸人であり、俳優としても絶大な存在感を示しておれらます。吉田茂とは、見た目が似てらっしゃる事にお気づきかと思いますが、それだけでなく、ユーモアを愛する所や、おちゃめで人たらしの面でも、吉田本人を彷彿させます。劇中、吉田が日本の未来を憂い、感情が溢れ出すシーンは、鶴瓶さんご自身の真摯な願いと重なって見える気がしました。文字通り魂のこもった演技は、このドラマ最大の見どころの一つです。
そして吉田と共に重要な役回りを果たすのが白洲次郎です。吉田とは二回りも歳の離れた友人であり右腕。
自らの信念を徹底して貫き、当時、圧倒的権力を持ったGHQに対しても一歩も怯まない。日本で初めてジーンズをはいたとも言われるファッションセンスと合わせ、「カッコいい日本人」の代名詞的人物です。そんな白洲を演じるのが、今、人気実力とも最も充実している生田斗真さん。内面的にも外面的にも、日本人のスケールを超えた存在である白洲を、見事に体現して下さっています。ご期待ください!