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HUAWEI『nova 5T』や『FreeBuds 3』の特徴は? タッチアンドトライ感想レポ

2019年11月25日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 先日、都内で行われたHUAWEI新製品発表会にて、『HUAWEI nova 5T』などの新型スマートフォンが発表された。


(参考:ファーウェイの新型スマホ「Mate 30」シリーズ、海外メディアでは“最高”の評価も……


・厳しい状況でもシェアを確実に獲得
 HUAWEIは、アメリカからの制裁対象となってしまったことで、Androidでは必須ともいえるGoogleサービスの利用や、Android OSそのものが使えなくなる可能性があるといった報道もされ、自社OSの開発が進行している。


 そういった不安から売上に影響が出るかと思っていたが、発表によると、厳しい環境下でも売上やシェアの獲得は好調。国内SIMフリースマホ市場シェア1位、国内Androidタブレットシェア1位、国内キャリア+SIMフリースマホ市場シェア3位を獲得している。


 経済制裁を受けてもなお、HUAWEIという企業が存在し、新たな製品を生み出しているという事実を見れば、良い製品を生み出し、多くの人に愛されているということはたしかなのだろう。


・暮らしそのものに寄り添う
 HUAWEIはスマホやタブレットが有名だが、今後はPC、スマートスクリーン、スマートテレママティクス、VRグラス、スマートウェアラブル、スマートイヤフォン、スマートスピーカーなどを展開し、暮らしそのものに寄り添った製品ラインナップで展開していくとのことだ。


 日本で展開しているスマホ、タブレット、PC、スマートウェアラブル、スマートイヤホンに加え、今後はスマートスクリーンなども展開すると発表している。


・スマホのラインナップのネーミングについても言及
 また、HUAWEIでは主にMateシリーズ、Pシリーズ、novaシリーズの3つを展開しているが、そのネーミングについても言及された。


 Mateシリーズはスペック重視のファブレットだが、その名前は究極を意味する「ULTIMATE」から取られている。「究極」「ハイテク」「プレミアム」といったコンセプトのシリーズだ。


 Pシリーズはカメラ性能特化のスマホで、その名前は写真を意味する「PHOTOGRAPHY」から取られている。「写真撮影」「アート」「美的」といったコンセプトのシリーズだ。


 novaシリーズはコスパ重視のいわゆるエントリーモデルのスマホだが、その意味は革新を意味する「INNOVATION」から取られている。「革新」「シック」「ダイナミック」といったコンセプトのシリーズだ。


 HUAWEIは過去にHonor(オナー)シリーズを国内展開していたが、同シリーズの新端末についての告知はなし。少し前から海外でHonorシリーズとして販売しているモデルを国内ではnovaシリーズとして販売しているので、今後はnovaに統一していくのかもしれない。


・HUAWEI nova 5Tの特徴は?
 novaシリーズの最新作『nova 5T』は、novaというエントリーシリーズながら性能を重視し、CPUはMate20シリーズやP30シリーズと同じKirin 980を搭載。価格は抑えつつも快適な動作を可能にしたモデル。カメラにも力が入っており、1600万画素 超広角カメラ、4800万画素広角カメラ、200万画素 被写界深度測定カメラ、200万画素 マクロカメラを搭載しており、どんなシーンでも高品質な写真を撮ることができる。


 特に4800万画素の広角カメラの解像感はかなり高く、トリミングしても十分に使える画質の写真が切り出せるほか、22.5W超急速充電にも対応。30分で最大50%を充電可能で、ゲームに最適化してGPUをチューニングしてくれる「GPU Turbo 3.0」などにも対応しており、エントリーモデルではあるものの、快適に使うことができるだろう。


 市場想定価格はRAM 8GB/ROM 128GBのモデルで、54500円(税抜)となる。


・HUAWEI WATCH GT2
 また、スマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT2」も発表された。写真左の46mmモデル、写真右の42mmモデルの2モデル展開で、どちらも基礎スペックは変わらない。46mmモデルはスポーツ向け、42mmモデルはカジュアルなイメージだ。


 15種類のワークアウトに対応しており、普段から運動している人にとってはかなり便利。トライアスロンや屋内ワークアウトなど種類がかなり豊富なので、運動の記録をありのまま記録できるだろう。心拍センサーも搭載しているので、運動中の心拍数をモニタリングすることも可能。5ATM防水にも対応しており、水圧のかかる水泳などにも使うことが可能だ。


 よく耳にするIPX6などの防水規格は「水がかかる」ことを前提にしているが、HUAWEI WATCH GT2が対応する5ATM規格は「水中で使う」ことを想定。5ATMは5気圧までの耐水機能を有しており、水泳などにも対応する。


 スキューバダイビングのような高い水圧がかかる場面では流石に使えないが、水泳に使うことができるレベルの防水機能を有しているので、浸水が原因で壊れることはまずないだろう。


 同端末は46mm、42mm共にエディションが存在し、バンドが異っている点には気をつけたい。


 市場想定価格は以下の通りだ。(すべて税抜)
46mm スポーツモデル:24800円
46mm クラシックモデル:28800円
46mm エリートモデル:32800円
42mm スポーツモデル:22800円
42mm クラシックモデル:26800円
42mm エレガントモデル:30800円


・HUAWEI Band 4
 あわせて、腕時計よりもスリムなウェアラブル端末「HUAWEI Band 4」も発表された。


 低価格で小型ながらカラーディスプレイを搭載し、心拍センサーや通知機能など必要な機能は一通り揃っている。バンドは取り外しが可能で、バンドを取り外すとUSBプラグが現れ、専用ケーブルなどがなくても充電可能だ。


 1人あたりの所持デバイス台数が増えてきている現代において、充電ケーブルを必要しないのは大きなアドバンテージだろう。ウォッチフェイス(文字盤)も多彩で、かなり多くのウォッチフェイスを利用可能。その日の気分、ファッションなんかに合わせて気軽に切替えることもできる。


 9種類のワークアウトにも対応しており、HUAWEI WATCH GT2と比べると少ないが、これだけ小型なのを考えれば十分だろう。


 屋外よりも屋内のワークアウトの方が多く対応しており、ジムで体を鍛えている人にとっては便利ではないだろうか。もちろん、HUAWEI Band 4にも心拍センサーが搭載されており、心拍数のモニタリングも可能。市場想定価格は4800円(税抜)となる。


・HUAWEI FreeBuds 3
 また、完全ワイヤレスイヤホンHUAWEI FreeBuds 3も発表された。


 完全ワイヤレスタイプのイヤホンは各社から発売されているが、HUAWEI FreeBuds 3は世界初となるオープンフィット型でのアクティブノイズキャンセリングを実現した製品。アクティブノイズキャンセリングとは、周囲の騒音と逆位相の音を発生させることで騒音を打ち消す技術だ。


 この技術自体は他社ヘッドホンやイヤホンでも搭載されているが、ノイズキャンセリングという性質上、どうしても耳と密着させることが必須だった。イヤホンであれば「カナル型」と言われるシリコン製のイヤーピースがついている製品ばかりだったが、HUAWEI FreeBuds 3はオープンフィット型で実現 したという点がポイントだ。


 イヤホンに搭載されているマイクに関しても、骨伝導によるノイズキャンセリングを行い、通話も快適に可能とのことだ。


 マイクにはダクト設計を採用し、風ノイズの低減も施されているので、通話に使う場合でも快適に使えるだろう。骨伝導ノイズキャンセリングや風ノイズ低減機能は、最近発売されたApple AirPods Proよりも優れているとアピールし、かなりの自信作のようだ。


 充電速度に関してもAirPods 2よりも2倍優れている数値のため、普段使いでもかなり便利であることは間違いない。市場想定価格は18800円(税抜)となる。


・現行機種もアップデート
 今回発表されたnova 5T以前の現行機種に関してもアップデートの予定があるとし、ロードマップが発表された。


 Mate 10 Proなど、少し古めの機種に関してもOSアップデートを実施する予定とのことなので、すでにHUAWEI製品を使っている人もしばらくは安心してよいだろう。Androidは、バージョンアップ時にアップデートされるかは端末とメーカー次第なので、こういった姿勢はかなり評価できる。


・タッチアンドトライで実際に触ってみた
 ここからは発表会後にタッチアンドトライコーナーで実機を触った感想をお届けする。nova 5Tは海外でHonor 20 Proとして売られている端末の日本市場版だ。


 Honor 20 Proよりも価格が高くなることを予想していたが、海外でも日本とほぼ同じ金額で売られており、日本へのローカライズを施した割にはかなり安いという印象を受けた。性能はかなり高く、デモ機に入っているアプリをありったけ立ち上げてもスムーズに動作した。


 筆者が普段使っているスマホはPixel 3 XLと10万以上するスマホだが、動作のスムーズさではPixel 3 XLと遜色ないレベルの快適度だ。以前から報道されている通り、HUAWEIはアメリカ政府からの制裁を受けており、今後発売される端末ではGoogleサービスが利用できないという噂もあったが、nova 5TにはGoogleサービスがインストールされていた。


 Google Playも問題なく使えたので、ひとまず安心だろう。nova 5Tは右側面に電源ボタン 兼 指紋認証センサーが搭載されており、端末を持ったときに違和感なく指紋認証が可能だ。


 パンチホール型のインカメラを採用し、画面はかなり広々と使える。上の画像はGoogle検索を開いた様子だが、白い部分がすべて画面だ。ベゼル(画面の縁)も細めで、ほぼ“画面を持っている”といっても過言ではないだろう。


 純正カメラアプリではプロモードも用意されており、ISOやシャッタースピードなどをマニュアル設定することもできる。


 最近のスマホはシャッターを押すだけで簡単に綺麗な写真を撮ることができるが、こういったプロ仕様の機能も搭載されていると、写真を撮るのがさらに楽しくなるだろう。


・ノイズキャンセリングイヤホン『HUAWEI FreeBuds 3』も試してみた
 『HUAWEI FreeBuds 3』は音質がかなり良く、イヤホンが苦手とする高音も割としっかり出ているイメージだ。本体にはタッチセンサーも搭載しており、ポケットからスマホを出すことなく操作することができるので、使い心地も良い。


 ノイズキャンセリングの性能に関してはオープンフィット型なせいか、少し弱めな印象を受けた。調節は強弱ではなく、円形のつまみを動かすような感じで行い、自分の一番好きな場所に設定するようだ。人それぞれノイズキャンセリングの好みが違うことから、この様な設定方法になっているらしい。


・国内SIMフリー市場はレッドオーシャンに?
 コスパの良さや、他にないカメラへの異常なまでのこだわりで、国内SIMフリー市場で高いシェアを誇るHUAWEIだが、2021年には中国大手の「Xiaomi」(シャオミ)の国内参入も噂されている。


 さらに他の中国企業も技適を取得して国内参入していたりと、今後のSIMフリー市場はレッドオーシャンとなりそうだ。


 様々な事情から厳しい状況に立つHUAWEIだが、今後も頑張ってほしいところだ。


(tomokin)