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乃木坂46、“融合と創造”の繰り返しで迎えた新フェーズ 2019年の活動から導き出す『3・4期生ライブ』への期待

2019年11月25日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『夜明けまで強がらなくてもいい』(Type-A )

 9月1日、乃木坂46『真夏の全国ツアー2019』千秋楽の明治神宮野球場で行われたライブで桜井玲香が卒業。そのスピーチで発した「これからも私は『乃木坂』なんだと思っています」という言葉から乃木坂46は新たなフェーズに移行した。乃木坂46の卒業生の多くが乃木坂LLCに所属し、ドラマや舞台に出演することで現役メンバーに道標を立て、時には代打でラジオ出演も行なうなど、OGを含めた運動体が「乃木坂46」になりつつあるのだ。


参考:乃木坂46 遠藤さくら×金川紗耶、賀喜遥香×北川悠理、掛橋沙耶香×清宮レイ……新たに発見される4期生仲良しコンビ


 一方、現役メンバーに目を向けると、7月3日から9月1日の『真夏の全国ツアー』で行われていたのは「融合と創造」だった。アンダーメンバーと選抜メンバーが融合したブロックでは、生田絵梨花センターの「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」、寺田蘭世センターの「ここにいる理由」、齋藤飛鳥センターの「不等号」、それぞれのパフォーマンスが過去と現在を繋いで見せた。


 さらに、乃木坂46の未来を担う3期生と4期生によるコラボパフォーマンスで「融合と創造」は明確に示された。3期生曲の「トキトキメキメキ」に4期生が参加すると、4期生曲の「キスの手裏剣」では3期生と4期生のペアでダンス。梅澤美波と賀喜遥香のまとめ役ペア、向井葉月と矢久保美緒の乃木ヲタペアが実現。阪口珠美が田村真佑の頭をポンポンするなどのフリー演技も飛び出した。


 このコラボパフォーマンスの発展形が、11月26日と27日に国立代々木競技場 第一体育館で行われる『乃木坂46 3・4期生ライブ』なのだろう。


 3期生の1年目(2017年)は、2月に『3人のプリンシパル』、5月に単独ライブ、10月に舞台『見殺し姫』と単独活動が続き、2018年4月には大園桃子、久保史緒里、山下美月、与田祐希を除いたメンバーで舞台『星の王女さま』が開催された。その後は1期生、2期生と「融合」して活動を続けていまに至る。


 一方、4期生の1年目(2019年)は4月に『3人のプリンシパル』、5月に単独ライブが行われた。10月には乃木坂46版ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』では、3期生の久保、向井と4期生の早川聖来、田村が「融合」した。


 そして、乃木坂46にとって初めてのケースとなる『3・4期生ライブ』で、彼女たちは何を見せてくれるのか。


 それぞれの持ち曲は披露されるだろう。梅澤は3期生として最初の曲である「三番目の風」と4期生最初の曲「4番目の光」の違いをこう語っている。「3期生の『三番目の風』は『三番目の風になろう』で、4期生の『4番目の光』は『4番目の光になれますように』。伝えたいことは共通していても言葉のチョイスが変わってくるんです。3期生は『強い意志』で4期生は『優しい願い』なのかな」(『EX大衆』7月号)。


 3期生と4期生によるユニット曲も期待したい。今年の全国ツアーでの「継承」をテーマにしたユニットは、3期・4期合同ライブを観るうえで想像を膨らませる種になっていた。阪口と金川紗耶のダンス、久保と賀喜の歌唱、岩本蓮加、向井、掛橋沙耶香、矢久保の小動物感が再び化学反応を起こすかもしれない。賀喜にとっての山下、掛橋にとっての与田といった「憧れの先輩」と後輩の絡みも面白そうだ。


 「先輩」の3期生はライブをどうまとめ上げるのか。アンダーセンターも務めた岩本は「3期生は自分たちの中でまだ『後輩』という意識」があったが、「合同ライブで4期生のお手本になれるように頑張ります。4期生のいままでと違った面を引き出したい」と語っている。(『EX大衆』12月号)


 乃木坂46にとって代々木第一体育館は、7thシングルでの2期生・堀未央奈のセンター就任が発表された「変革」が起きた会場だ(2013年10月6日)。『3・4期生ライブ』が乃木坂46に「変革」を起こす可能性は極めて高いだろう。(大貫真之介)