トップへ

森七菜が岩井俊二監督『ラストレター』の主題歌で歌手デビュー 新特報公開

2019年11月22日 11:30  CINRA.NET

CINRA.NET

左から小林武史、森七菜、岩井俊二
森七菜が岩井俊二監督の新作映画『ラストレター』の主題歌を担当し、歌手デビューすることがわかった。

2016年にスカウトされて以降、様々な映画やドラマに出演し、2019年には新海誠監督の映画『天気の子』でヒロイン役の声優に起用された森七菜。『ラストレター』には、松たか子演じる主人公・裕里の娘・颯香と高校生時代の裕里役の2役で出演している。

主題歌“カエルノウタ”は作詞を岩井俊二、作曲を『ラストレター』の音楽を手掛ける小林武史が担当。森七菜は主題歌を歌唱することについて「初めてお話をいただいた時、本当に私で合っているの?と驚きました。今回、歌手デビューとなり、映画主題歌に初挑戦です。それがこんなに素敵な、私が大好きな作品で、さらに岩井俊二監督、小林武史さんに作っていただいた唄を歌うことが、非常に重大な事だと感じました。歌詞、メロディともに一瞬一瞬聴き逃せなく、全部余すことなく歌わないと、と心掛けました」と述べている。

また映画の企画・プロデュースを務める川村元気は「『スワロウテイル』におけるYEN TOWN BAND、『リリイ・シュシュのすべて』から生まれたリリイ・シュシュ、岩井俊二監督作品から、いつも素晴らしい音楽が生まれてきた。では『ラストレター』からはどんな音楽が生まれるのか。岩井俊二、小林武史と話し合いを続けた。たくさんのアーティストが主題歌の候補としてあがるなか、答えが目の前にあることに気づいた。『試しに』と歌ってもらった森七菜の歌声には、少年と少女の間をたゆたうような瑞々しさと、誰にも真似できない力強さがあった。その声に惹きつけられて、岩井俊二がおとぎ話のような歌詞を書き、小林武史が映画の世界観を投影したメロディをつけた。エンドロールにこの主題歌が流れたときに、ついに“岩井俊二監督作品”が完成したのだと感じた」とコメントしている。

同曲を収めた森のデビューシングル『カエルノウタ』は2020年1月15日にリリース。主題歌を使用した映画の新特報は11月22日から順次全国の映画館で上映される。

映画『ラストレター』は1月17日から公開。岩井監督の出身地である宮城を舞台に、手紙の行き違いをきっかけに始まった2つの世代の男女の恋愛模様や、それぞれの心の再生と成長を描く作品だ。主人公の岸辺野裕里役に松たか子、裕里の姉・未咲の高校生時代と未咲の娘・遠野鮎美役に広瀬すず、同級生だった未咲に恋をし、手紙の行き違いをきっかけに裕里と文通を始めることになる小説家・乙坂鏡史郎役に福山雅治、高校生時代の鏡史郎役に神木隆之介、裕里の娘・颯香と高校生時代の裕里役に森七菜がキャスティングされている。

■森七菜のコメント
初めてお話をいただいた時、本当に私で合っているの?と驚きました。今回、歌手デビューとなり、映画主題歌に初挑戦です。それがこんなに素敵な、私が大好きな作品で、さらに岩井俊二監督、小林武史さんに作っていただいた唄を歌うことが、非常に重大な事だと感じました。歌詞、メロディともに一瞬一瞬聴き逃せなく、全部余すことなく歌わないと、と心掛けました。歌うことは楽しいですが、まだまだ未熟なので、ひとつの映画を作るような、お芝居をするような感覚で歌いました。スクリーンで最後に自分の歌が流れるのは、楽しみですが、すごく誇らしげな気持ちになるか、穴に入りたくなるか、どちらかだと思います(笑)。

■小林武史のコメント
主題歌は、歌独自の世界観はもちろん、映画との関係性というのも必要で、今回、映画のエンドロールの使いどころも、透明感のある森さんの声にピッタリなので、トータルとしてうまく色々な要素がつながることになると思います。森さんは、レコーディングを一回一回重ねるごとに成長してくるんです。最初から表現しようとする気持ちがあり、やっぱり女優さんなんだなと思いました。歌詞の意味を岩井さんに確認したりしていて、その後のレコーディングは、また格段に良くなり、二歳くらい年齢が上がったような感じで、最後はあどけなさだけでなく、女性としての色気が出てきたのかなと思いました。女優だけでなく、歌い手としての顏もどこかで忍ばせていってほしいなと思います。

■岩井俊二監督のコメント
イソップ童話のひとつをモチーフにしつつ、ショートフィルムも別に作るような感覚で、映画と程よい距離感を保ちつつ、いろいろな解釈ができる歌にできればと思い、作詞しました。
森さんは、やはり根に女優というものがあるので、「上手く歌おう」というよりも、「表現しよう」というアプローチが、撮影現場で役者としてやっていたアプローチに共通するものがあるんだな、と。歌だけですが、演じるような表現でひとつひとつの言葉に宿すものがあって、まだあどけない女の子なのに、すごく丁寧に、文学的に表現していて、とても感心しました。映画の主題歌には、そこまで観てきた流れを上手く支えて、余裕を持ちながら緩やかに着地していくような役割があると思いますが、そこはとてもうまくいったかなと思っています。映画を観る前に曲だけ聞く人もいて、そういった方々がどんな映画を想像するかな、なんて想いを馳せつつ書いたので、そういう楽しみ方もしてもらえたら嬉しいです。