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Hey! Say! JUMP「獣と薔薇」から溢れる“ギラギラ感”は成長意欲そのもの? 表現力の進化に注目

2019年11月22日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

リアルサウンド編集部

 Hey! Say! JUMPがギラギラしている。というのは、今夜11月22日放送『ミュージックステーション 2時間スペシャル』(テレビ朝日系)で披露する新曲「獣と薔薇」のこと。「獣と薔薇」は、10月30日にリリースした7thアルバム『PAREDE』の収録曲だ。


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 タイトル通り、まるでパレードのように、次々と異なるテイストの楽曲を繰り広げ、聞く者の耳を楽しませてくれる本アルバム。公式HPによると、“夢”と“妖かし”をテーマにした不思議な世界を表現したという。


 “夢”と“妖かし”と聞くと、金曜ナイトドラマ『セミオトコ』(テレビ朝日系)で、山田涼介がセミを演じたことを思い出す。命を助けたセミが理想的な男性となって目の前に現れる、ひと夏の恋。「ファンファーレ!」を聞いて、またあの夢のような時間を思い出し、幸せな気持ちに浸るのもまた一興だ。


 そう、Hey! Say! JUMPといえば、かねてよりキュートでスイートな印象が強い。実際、彼らは可愛い。プライベートでもメンバーの誕生日を祝うために集まったり、年末には全員でプレゼント交換をするのが恒例化したり……出てくるエピソードはいずれもホッコリさせられるものばかり。彼らの持つ、素のやさしさや愛情深さが、きっとそうしたイメージを定着させたのだろう。


 だが、そんなふんわりした愛らしい印象を今回、いい意味で打ち破ってくれるのが「獣と薔薇」だ。MVではオオカミの化身として登場している8人。獲物を狙いすましたような強気な視線。その不敵な眼差しに、生きる力の強さを、つまりはオスとしての色気を漂わせる。 


 もちろん、Hey! Say! JUMPならではの美しいフォーメーションダンスも健在。カウントに乗せて、体をうねらせ、サササッと後退してみせる。そして、激しく動いても、ブレることのない鋭い眼光。まるで、野生動物が群れで狩りをするような迫力だ。そんなうっとりするほどの雄々しさに、改めて彼らの持つ男性美を堪能できる。


 いつの間に、彼らはこんな表現力を身につけたのだろうか。11月14日、中島裕翔がラジオ『Hey! Say! 7 UltraJUMP』(文化放送)にて、最近歌い方を変えたという話を披露していた。演技の面で高い評価を得ていた中島だが、歌に関しては少し苦手意識があったそう。


 だが、アーティストとしてまず活動しているんだという自覚と共に、一念発起。試行錯誤を始めると、すぐに薮宏太から「歌い方変わったよな、いいと思う」と気づいてもらえたと嬉しそうに報告していた。


「今後、いろんな歌い方にチャレンジしていきたい。思ったのはね、(歌も)お芝居と一緒だと。台本みたいなのが歌詞だとして。それをどう歌うか。その状況を思い浮かべて、その気持ちをちゃんと歌う」


 人は何かを突き詰めると、その思考回路が別のものにも繋がる瞬間がある。きっと、中島にとって芝居に向き合ってきた成果が今、歌の表現にも応用できるようになったのかもしれない。そして、それはもしかしたら他のメンバーにも起きている可能性も……。


 Hey! Say! JUMPは、デビューしてからが試練続きのグループだった。しかし、その苦悩の日々があったから、謙虚にアーティストとして進化を続けてきた。共に乗り越えてきたものが大きいからこそ、仲の良さもあるだろう。


 全てが、今に繋がっていく。そして、この意欲作から、また次の未来が紡ぎ出される。このギラギラ感は、彼らの成長意欲そのものなのだ。そう、Hey! Say! JUMPの進化は止まらない。(佐藤結衣)