トップへ

“ろう”の写真家・齋藤陽道が“うた”に出会うまでの記録 ドキュメンタリー映画『うたのはじまり』公開へ

2019年11月21日 12:21  リアルサウンド

リアルサウンド

『うたのはじまり』(c)2020 hiroki kawai/SPACE SHOWER FILMS

 ドキュメンタリー映画『うたのはじまり』が2020年2月22日に公開されることが決定し、特報映像とポスタービジュアルが公開された。


参考:映像はこちら


 本作は、俳優・窪田正孝の写真集や Mr.Children、クラムボン、森山直太朗などのアーティスト写真を撮影してきた“ろう”の写真家・齋藤陽道が、自身の子育てを通して、嫌いだった“うた”に出会うまでを記録したドキュメンタリー。


 “ろう”の写真家、齋藤陽道。20歳で補聴器を捨てカメラを持ち、“聞く”ことよりも“見る”ことを選んだ。彼にとっての写真は、自分の疑問と向き合うための表現手段でもある。そんな彼の妻・盛山麻奈美も“ろう”の写真家。そして彼女との間に息子を授かった。“聴者”だった。


 幼少期より対話の難しさや音楽教育への疑問にぶち当たり、“うた”を嫌いになってしまった彼が、自分の口からふとこぼれた子守歌をきっかけに、ある変化が訪れる。生後間もない息子の育児を通して、嫌いだった“うた”と出会うまでを切り取った記録。抱いた赤子に突然泣かれ、ふと子守歌がこぼれる、誰にでもある経験。音は「どんな色をして、どんな形をしているのだろうか?」。無意識に現れた“うた”は一体どこから来たのか。


 古川日出男らによる朗読劇『銀河鉄道の夜』の活動を2年に渡り追ったドキュメンタリー映画『ほんとうのうた』(2014年)、七尾旅人が戦死自衛官に扮したライブ映像作品『兵士A』(2016年)などの河合宏樹が監督を務める。


■河合宏樹監督 コメント
赤子をあやす為に彼からぽろっと溢れたうた、その瞬間にすべては語られた。
歌が祈りに戻った瞬間。人類が初めて歌った瞬間。
うた、音楽、の本来の役割とは何だったのか。齋藤陽道と共に考えた数年間。
誰しもが持つ歌心に対して、または、現在の音楽との接し方について、今一度、
その根源を思い出して欲しいと思いこの映画を制作しました。


■応援コメント
●古川日出男(作家)
私がここに記しているコメントの文字に触っても、そこから振動は感じられない。けれども、あらゆる「うた」には響きがある。私たちの肉体に鼓動があるように、やっぱり響きがある。それは結局、愛には響きがあるのだ、と言っているような気がする。私は、そうした衝撃的な事実を、この映画『うたのはじまり』に触れて、知った。私という小説家は、この映画に「触った」のだと思う。


●後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
音楽が大好きだというあの娘や、ステージ袖でガチガチに固まっているあいつや、歌詞が書けないだなんて悩んでいる彼に見せたい映画でした。もちろん、君にも見てほしいし、むしろ僕こそが見るべき作品だ! と思いました。


(リアルサウンド編集部)