Lean In Tokyoは11月、「男性が感じる生きづらさ」に関する調査結果を発表した。調査は10月にネット上で実施し、学生や会社員を含む男性309人から回答を得た。
固定概念やプレッシャーなどによる「生きづらさを感じたことがあるか」を聞いたところ、「頻繁に感じる」(17%)や「たまに感じる」(34%)と答えた人は過半数を超えた。年代別にみると、「頻繁に感じる」と答えた「50代」(2%)、「60代以上」(8%)はそれぞれ1割以下と比較的に割合が小さかったのに対して、「40代」(25%)、「30代」(23%)、「20代」(17%)ではいずれも20%前後になっており、40代と50代を境に意識に差があることが分かった。
「男は泣いてはだめと言われ続けてきた」
「男性としての生きづらさを最も感じること」を選択式で聞くと、最多は「力仕事や危険な仕事は男性の仕事という考え」(77票)、2位が「デートで、男性がお金を多く負担したり女性をリードすべきという風潮」(73票)、3位が「男性は定年までフルタイムで正社員で働くべきという考え」(71票)だった。
年代別にみると、20~30代の1位は「デートで、男性がお金を多く負担したり女性をリードすべきという風潮」。20代の2位には唯一、「男性が弱音を吐いたり、悩みを打ち明けることは恥ずかしいという考え」がランクインした。
一方、40~50代の1位は「男性は定年までフルタイムで正社員で働くべきという考え」、40代の2位には「高収入でなければならないというプレッシャー」が入るなど、仕事関係の悩みを挙げる人が目立った。
また、20~60代の全年代で「力仕事や危険な仕事は男性の仕事という考え」がトップ3に入ったほか、30・50・60代では「『一家の大黒柱』でいなければならないというプレッシャー」と家庭を持つ年代ならではの回答もあった。
具体的なエピソードとしては
「男は泣いてはだめと言われ続けてきた」
「生涯仕事に就き収入を得て、家族を支えていかなければならないプレッシャーがある」
「ベルトやネクタイの着用を求められることが肉体的に負担」
と合理的な理由なしに、"男性だから当たり前"とされてきたことを苦痛に感じる声が寄せられた。
男性が求めるのは「多様な働き方」「個性」の尊重
男性の生きづらさを改善・解消するために必要なこととしては、1、2位の「多様な働き方を尊重する文化の醸成」(88票)、「個性を尊重する文化の醸成」(86票)に、それぞれ4割近い人が回答した。
3位以降には「日本の教育の改善」(61票)、「職場の制度改革」(54票)、「政府による制度改革」(53票)などが続き、国や職場の制度改革よりも、社会における文化レベルでの意識改革が必要と考える人が多いことが分かった。
世間や職場でのしがらみを度外視した場合の「理想的な家事・育児の分担」については、過半数が「共働きで、育休の取得等も含め、家事・育児を男女が均等に分担する」(55%)と回答。一方、日本の育休取得の実態は、女性の取得率が82.2%、男性が6.16%(厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査(速報版)」)と男女間で取得率に大きな開きがあり、理想と実情が乖離していることが分かった。