『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の主題歌をMr.Childrenが担当することがわかった。
2020年3月6日から公開される同作は、2020年に原作の連載開始から50年を迎える『映画ドラえもん』シリーズの40作目。映画1作目『映画ドラえもん のび太の恐竜』とは異なるオリジナルストーリーとなり、6600万年前の白亜紀を舞台に、のび太が双子の恐竜キューとミューと共に冒険を繰り広げる様が描かれる。テーマは「進化」。監督は今井一暁が務め、脚本は川村元気が担当した。
主題歌には、Mr.Childrenが映画のために書き下ろした“Birthday”を起用。桜井和寿(Mr.Children)は「ドラえもん50周年、そして僕も50歳となる年に、運命の再会ができた事に心から感謝です。のび太にとってのドラえもんのように、『ドラえもんという存在が、ストーリーが、プロジェクトそのもの』が、弱く情けない自分に寄り添ってくれているのだと、改めて噛み締めながら、音楽でドラえもんに携わらせてもらいました。絶対観てくださいね。聴いてくださいね」とコメントを寄せている。
今回の発表とあわせて、ポスタービジュアルと主題歌“Birthday”を使用した新たな特報が公開。11月23日に放送されるテレビアニメ『ドラえもん』内では90秒の予告編が初オンエアされる。
■桜井和寿(Mr.Children)のコメント
ハッキリと覚えている。
小学4年生の時、両親が僕にドラえもんを買ってきてくれた。
家に帰り、自分の部屋のベットに寝転ぶと、頭上にある小さな棚に1巻から5巻がきれいに並んで置かれていた。
そしてそれを僕は複雑な思いで受け取った。
なぜなら、当時僕は勉強を全くしない子供だった。宿題なんかした事がない。漢字も書けなければ、読書もした事がなかった。当然、通知表に刻まれる数字は体育以外は1と2で埋まった。
それを見兼ねた両親はきっと「しっかり勉強しなさい」そう言いたかっただろう。
でも、そう言ったところで、素直に勉強するはずがない事をわかっていて、「宿題しなさい」でも、「読書しなさい」でもなく、「まずはここから始めましょうね。はい、ドラえもん」そんな気持ちで買ってきたのだろう。
そして、その複雑な親の心情を子供ながらにキャッチした僕は、逃げ場をなくした気持ちになって、しばらく読みも開きもせず、並んだ背表紙の1から5の数字を眺めていた。
警戒心の強い猫にオモチャを与えた時のそれのように、僕は3日後くらいにドラえもんを恐る恐る開き、その後、
我を忘れ夢中で読みふけった。
僕にとってはじめての読書。はじめて好きになった本。はじめて感動で泣いた本。
それ以来、背表紙の数字は増えていき、棚に入りきらないくらいのドラえもんが並んだ。中2の夏に音楽と出会うまで。
本当はその後も、僕の人格形成に関わるドラえもんとのエピソードがあるのですが、長くなるのでこの辺でやめておきます。
ドラえもん50周年、そして僕も50歳となる年に、運命の再会ができた事に心から感謝です。
のび太にとってのドラえもんのように、「ドラえもんという存在が、ストーリーが、プロジェクトそのもの」が、弱く情けない自分に寄り添ってくれているのだと、改めて噛み締めながら、音楽でドラえもんに携わらせてもらいました。
絶対観てくださいね。
聴いてくださいね。
Mr.Children 桜井和寿