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『シェンムー3』、隠れキャラやフォークリフトなど進化した”やり込み要素”解説

2019年11月19日 07:21  リアルサウンド

リアルサウンド

https://third.shenmue.com/より

 Deep Silverは2019年11月19日、PS4/PC向けソフト『シェンムーIII』を発売した。


(参考:『シェンムー I&II』20年の時を経て帰ってきた名作に感じる“ゲームの夢”と“違和感”) 


『シェンムーIII』は1999年にドリームキャスト専用ソフトとして誕生した『シェンムー』シリーズの最新作。前作『シェンムーII』がリリースされた2001年から数えると、18年越しの最新ナンバリングタイトルとなる。本作では舞台が中国に移り変わり、現行ハード向けに最適化されたグラフィックや「食事」の概念、物語の核心に迫るストーリー構成など、あらゆる部分がパワーアップしている。


 現在ではほぼオーソドックスなゲームジャンルとなったオープンワールドRPGだが、その源流とも言えるべき存在だったのが、当時”FREE”というジャンル名を謳っていた本シリーズだ。主人公である高校生「芭月涼」(以下、涼)をはじめ、メインキャラクターやそうでないモブキャラクター全てにボイスが採用されていた。加えて各人物がゲーム内のスケジュールに即して生活を営んでいたという点では、現代の高密度なオープンワールド作品に少なからず通じるものがある。


 そして『シェンムー』において忘れてはならないのが、ゲームプレイを彩る数々の”やり込み要素”。過去作品では横須賀の港や下町を舞台に、ゲームセンターやガチャガチャ、ギャンブルに興じることができた。またお金が必要とあれば、金策としてフォークリフトを運転する簡単なバイトも用意されていた。


 では最新作となる『シェンムーIII』におけるやり込み要素はどれほど進化しているのか?釣り、アルバイト、アーケードゲーム、ガチャガチャ……など、判明している中から今回は以下の3つにフォーカスする。


・探さずにはいられない「ちょうぶちゃん」
 だだっ広いフィールドを探索してひっそりと隠されたイースターエッグを見つけ出す。要は発見の楽しさが味わえる要素だが、これに近い仕様が本作にも実装されている。ゲーム内の舞台となっている「鳥舞」のご当地キャラ「ちょうぶちゃん」を探す……というものだ。


 具体的に説明すると、プレイヤーが訪れる屋台や商店のどこかに、ちょうぶちゃんを模したマスコット等が隠されている。これを発見したプレイヤーは景品として「ショップカード」が貰え、一定枚数集めると”何かイイコト”がある模様。ストーリーに多大な影響を及ぼすわけではないにしろ、収集欲に溢れたプレイヤーの好奇心をくすぐる画期的なシステムと言える。


・荷物を運んでお金を稼ぐ「フォークリフト」
 過去作でお馴染みのやり込み要素としてはフォークリフトが欠かせない。前述したガチャガチャのやり過ぎで無くなったお金を穴埋めするため。または中国への渡航費用を稼ぐためにプレイしまくったユーザーも多いのではないだろうか。


 『シェンムー』や『シェンムーII』にも実装されていたフォークリフトだが、『シェンムーⅢ』では運搬時に依頼される荷物の種類が増している。その代わりか、競技性の強いフォークリフトレースは遊ぶことはできない。とはいえ仕事ぶりによって給料がアップするので、黙々と働けばお金が貯まっていくのは間違いない。特筆すべき部分と言えば、荷物を運搬することでゲーム内容に変化が生じるようになった点だ。ストーリーを進めるだけでなく、アルバイトを通じることでも世界観に大きな作用が働いていく。


・ミニゲームを通して身体を鍛える「トレーニング」
 涼の身体を鍛えて戦闘力を強化するトレーニングも、本作ではれっきとしたやり込み要素に含まれる。鍛錬を積まずに強敵と戦闘を行えば苦戦は必至。となれば、自分の身体をいじめ抜いて強くならないければならない。そこでプレイヤーを迎え入れるのが道場である。


 道場で挑戦可能な「馬歩」「寸拳」は基礎トレーニングの一種。両者ともボタン押下やコントロールスティック調整など、細かい操作が要求される分、ミニゲーム色の強い内容なのが特徴。トレーニングを達成することで涼の攻撃力や防御力が上昇し、戦闘で有利に立てる。こうした馬歩と寸拳のほか、道場では強敵とタイマン勝負が楽しめる「組手」の挑戦も受け付けている様子。敵との戦闘そのものを楽しみたいユーザーにはピッタリのコンテンツだろう。


 アクションアドベンチャーゲーム『シェンムーIII』は、PS4/PC(Epic Games独占)向け11月19日より発売中。18年を経て現行ハードに帰ってきた涼の勇姿が気になる方は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。


(龍田優貴)