僕はいろいろな媒体でいろいろなコラムを連載しているが、一番長く書いているのが恋愛コラムだ。子どものころ、地球防衛軍に入りたいと思っていたころの僕が今の僕を見たら、きっと「マジかコイツ」と思っちゃうことだろう。
しかし、恋愛は誰でもするものだし、誰もが悩むものでもある。今回もキャリコネニュース読者から寄せられた恋の悩みに応えたい。相談者は19歳の女の子で、
「自分とは正反対で金髪の似合うとてもオシャレな人で、大学生くらいの人だと思います。 同じ駅から電車に乗るのですが、今年の4月ぐらいに初めて見かけてから、気づいたら好きになっていました」
という。(文:松本ミゾレ)
「話しかけるにはもう彼に会いすぎていて、今さらかなと思ってしまって……」
彼女は高卒2年目の社会人。ふたりとも乗る電車を何度か変えているが、
「それでも彼がいたりしてどんどん好きになってしまっています。相手も私がいるのは何となく気づいているみたいで、何回か『あれ? もしかして気にされてる?』と思うような出来事もありました」
と綴っている。彼に話しかけて仲良くなりたいというものの、
「きっかけがないし、気持ち悪いと思われるのが怖くてなかなか話しかけられずにいます。話しかけるにはもう彼に会いすぎていて、今さらかなと思ってしまってなかなか行動に起こせません。いきなり彼に話しかけたらやっぱり怖いですかね」
というのが今回の相談なんだけど、なんかこう、いいよね。青春って感じで。社会人になった女の子が、大学生っぽい同世代の男の子に恋をするというシチュエーション。おじさん嫌いじゃないよ。
男が女に話しかけると警戒されがちなんだけど、逆はその限りではない
こういう恋愛相談に応える系のコラムって、大体コラムニストが「自信を持って。その出会いは運命かもしれない」とか言うんだけども、それを言う人って個人的には無責任だと思う。この相談者は気持ち悪いと思われるのが怖くて話しかけることすらできていないのだ。
ただ、恋愛は失敗か成功しかないわけじゃないということは意識しておいてほしいところ。恋愛をするなら過程だって大事だ。この相談者は、その過程をもう大いに悩んできた様子は文面から窺える。
そして恐らく、この恋愛にはもう自分が動かない以上、進展がないことも知っている。だから焦っているのだ。僕としても彼女が動かないことには先はないと思っている。なのでここはもう、動くほかない。
相談者の存在を認識しているという金髪くん。その金髪くんが動かないのであれば、相談者がどうにかするしかないのだ。話しかける内容はなんでもいい。金髪くんが大学生だと仮定して「この辺って大学ありましたっけ?」と話しかけてみるのもいいし「髪染めたいんですが、いいサロン知りませんか?」でもいい。
男が女にこのように話しかけると警戒されがちなんだけど、女性から仕掛けるのであればそこまで身構えられない。でもあくまでサラッと話しかけるのがいいように思う。が、そうは言っても敷居が高いだろう。
そういう場合は一芝居打つのもいい。彼の目の前でわざとハンカチを落としてみるとか、泣きながら電車に乗ってみるとか、酔ったフリして「あんたいつも同じ電車よな!」って絡むのもいい。話のきっかけなんて死ぬ気、捨て身になればいくらでもある。でもみんな、それをやるのが恥ずかしいからチャンスをふいにしているだけなのだ。
まだ若い相談者のあなたに言いたい。僕は普段、20代後半から40代前半までをターゲットにした恋愛コラムを書いているが、その人たちの多くはあなたぐらいの年齢のときに目の前のチャンスを見送ってきた。
だから今になって、必死に恋活だの婚活だのに焦っている。どうせ焦るなら、若いうちでもいいじゃない。あなたが今行動することで、結果がどうであれ将来のあなたの恋愛に向かうスタンスは必ず上向くだろう。金髪くんと仲良くなれても、なれなくても、アクションを起こすことで、絶対に自分にとってプラスとなるはずだ。
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