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YouTube「子供向けコンテンツの規約変更」はクリエイターにどう影響? 瀬戸弘司が徹底解説

2019年11月17日 07:21  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 ガジェットレビューで人気のYouTuber・瀬戸弘司が11月14日に投稿した動画の中で、「YouTubeにおける子供向けコンテンツの規約変更」について私見を述べた。


(参考:ゲーム系YouTuberのチャンネルが相次いで収益化の対象外に ゲーム実況者の未来はいかに?


 動画冒頭、いきなり「どうもこんにちわ!」と画面下から登場した瀬戸。頭には『ドラゴンクエスト』のスライムをモチーフにした帽子を被っている。「新型マックブックプロを買おうかどうか迷い中の瀬戸弘司だよっ! ピラーン!」と無邪気さ全開で挨拶すると、「あっ、ダメだダメだダメだ……」と急に冷静モードに。我に返ったように、そそくさと、スライムの顔が見えないように後ろ向きに帽子を被り直し、画面に写り込む「ドラえもん」の綺麗なジャイアンフィギュアと、子供向けおもちゃ「HIKAKIN ボックス」も見えないように隠した。一見すると、意味不明なはじまりだが、この所作がのちの説明の伏線になっている。


 今年9月、米連邦取引委員会は「子供(13歳未満の児童)の情報を違法に収集した」という理由から、グーグル傘下にあるYouTubeに対して1億7000万ドル(約180億円)の和解金(制裁金)の支払いを命じた。


 米当局が提示した和解の条件は、制裁金の支払いだけではない。COPPA法(児童オンラインプライバシー保護法)を遵守するために、子供向けコンテンツを特定するためのシステムを開発して実装すること。さらに、子供向けコンテンツがCOPPA法の対象となることをYouTuberに通知し、関係者に対して、COPPA法遵守に関する年間トレーニングを実施することがYouTube側に求められたのだ。


 対応を迫られたYouTube側は、ただちに「パーソナライズド広告」の停止を決定。パーソナライズド広告とは、オンラインのユーザーデータをもとに、そのユーザーが興味を持ちやすい広告を表示する機能のこと。この施策によって、YouTube上において13歳未満の児童の個人情報が収集できなくなり、ひいては子どものオンラインプライバシーを守ることに繋がるというわけだ。


 この規約変更で困ったのは、当然、子供向けコンテンツを供給するYouTuberだ。
「YouTuber界では大激震が起きています。ものすごい波紋を呼んでおります」と語った瀬戸。「聞くところによると1/3、1/2、もっといくかも」と子供向けコンテンツの収入減に言及し、「普通の動画と比べたら収益がほとんどない状態になってしまう」と説明した。


 ちなみに、コンテンツの特定はAIが行っているようで、現状、瀬戸の動画群において子供向けコンテンツと見なされたものは1つもないらしい。その一方で、ゲーム系YouTuber・さとちんは、2500本あるうちの500本の動画が子供向けコンテンツに該当されたとのこと。動画を見た感想として「500本やられるとさすがに傾向と対策が見えてきちゃってる」と瀬戸は言い、「『原宿』って言葉がダメなんだ、とか、『~してみた』って言葉がダメなんじゃないのとかを具体的にしゃべっている動画で、非常に参考になるので、見てみてください」と当該動画をPRした。


 そして「本題はここから」として、規約変更によって起こりえる「心配事」を明かした瀬戸。その心配事とは、「動画クリエイターの発想の仕方が変わっていく」というもの。「僕でいうと、普通に(ガジェットなどを)紹介しているときに出てくる、幼児的なというか……僕、39歳だけど興奮すると7歳になるので、その7歳の発想が出てきた時に押しとどめたほうがいいんじゃないか」と続け、具体例として冒頭のような状況を挙げた。


 さらに瀬戸は、所属するYouTuber事務所UUUMが掲げる経営理念「セカイにコドモゴコロを」に触れたうえで、「これはどうなるのかなって本当に思うよ」と一言。「子供向けのコンテンツはあって良いんだよ。でも、YouTuberたちは作らなくなるよ。だって、稼げないんだもん」と述べ、「ってなった時に、子供心を持っていいの?……っていう」と悩みを吐露していた。


(こじへい)