トップへ

【Steam】人狼+非対称マルチプレイの『Secret Neighbor』は、”心の強さ”が試される

2019年11月17日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 不気味な殺人鬼(キラー)と特殊能力を備えた逃走者に分かれて遊ぶ”非対称マルチプレイゲーム”は、今やPCやコンシューマだけでなく、無料のスマホアプリでも人気タイトルがリリースされている。この傾向は、それだけ幅広いユーザー層から支持を得ている証左なのだろう。事実、全世界で1200万人のユーザー数を誇る『Dead by Daylight』をはじめ、『第五人格』や『Friday the 13th: The Game』といったタイトルに多くのファンが慣れ親しんでいる。


(参考:本田翼のゲーム配信がすごすぎる! ホラーゲーム『Dead by Daylight』で生配信同時視聴者数世界トップに


 そして本稿で取り上げる『Secret Neighbor』は、そんな非対称マルチプレイゲームに「汝は人狼なりや?」(人狼ゲーム)の要素をミックスした異色作だ。


 HologryphとDynamic Pixelsが開発した本作では、逃走者に属する5人の子供と、キラーに相当する1人の”怪しいおじさん”に分かれてゲームが進行する。子供たちは誘拐された友人を救うべく、おじさんが住む屋敷に侵入を試みる。対するおじさんは、あらゆる手段を使って侵入者を返り討ちにする……というのが基本的な流れである。


 もう少しゲームプレイ面を具体的に見てみよう。本作における最大プレイヤー人数は6人。そのうち子供側が5人で、おじさんは1人の計算だ。特徴は「集まった6人からランダムでおじさんが選出される」点にある。つまり、参加した時点で子供たちは誰がおじさんなのか分からない(おじさんに選ばれたプレイヤーも見た目は子供)。互いに「どいつが敵なんだ?」と疑いながらゲームが幕を開ける。


 その後は屋敷内を探索し、鍵を見つけて扉を開けるのが大きな目的となるが、いかんせん敵の正体が不明なままでは全く油断できない。加えて本作のプレイヤー視点は一人称なので、おじさんに襲われた際の恐ろしさは格別。子供側として参加したプレイヤーは、なるべくコミュニケーションを取って円滑に攻略を進める必要が生じるだろう。


・信頼と疑心の間で揺れ動くプレイヤーの心
 しかし、そう簡単に屋敷を攻略できないのが『Secret Neighbor』。前述した通り、おじさんが誰か分からない状況では互いに弁明合戦が繰り広げられるだけでなく、徒党を組んで身勝手な行動に出るプレイヤーも続出する。味方であるはずのプレイヤー同士で乱闘騒ぎに発展するケースもあり、ボイスチャットを駆使した連携プレーが必要になるケースも珍しくない。まさに「人狼ゲーム」を遊んでいるがごとく、個々人の身の振る舞い方が勝敗を左右するのだ。


 一方のおじさん側は一人ということもあり、基本的には難易度がグンと上昇する。子供たちに勝利するには最終ゴールとなるドアを防衛しなければいけない。とはいえ、自分の正体が知られてしまっては狩れる獲物も狩れなくなる。そのため、おじさん側のプレイヤーには”ある程度の演技力”が欲しいところだ。


 「多勢の中で誰にもバレずに暗躍するのが好き」なプレイヤーなら、このポジションは待ってましたと言わんばかりの機会となるはず。自らが率先して子供たちの指揮を取り、絶対的な信頼を得たところで背後から殴りかかる……。役割を演じきる苦労は避けられないかもしれないが、その分得られるカタルシスも相当なものだろう。


 非対称マルチプレイゲーム『Secret Neighbor』は、Steamにて2,050円(税込)で配信中。追う楽しさと追われる恐怖を味わいたい方は、ぜひ一度チェックしてみてはいかがだろうか。


(龍田優貴)