2019年11月16日 10:21 弁護士ドットコム
居酒屋でアルバイトをしている女子高生から、2時間制であるにも関わらず、客が帰ってくれないことを嘆く声が、ヤフー知恵袋に投稿されている。
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投稿によると、土日は混み合うため2時間制にしており、そのことを伝えているにも関わらず、終了時刻を迎えても帰らないので、帰ってもらうよう告げたところ、「は?そんなの聞いてねえから最初に言えよ」とキレられてしまったそうだ。
女子高生は「めちゃくちゃムカついたんですけど抑えて あーすいませんでしたーって流しました」と振り返っている。
時間制の居酒屋の場合、帰ってもらえないと、他の予約客に影響が出て、店の売り上げが減少する可能性がある。例えば、30分以上居座った場合、このような客を「出禁」にしたり、追加料金をとったりすることは可能なのか。浅野英之弁護士に聞いた。
「お客さんが店に対してお金を支払い、店がお客さんに飲食物を提供する場合、料金等その条件については、店とお客さんとの間の合意によって決められています。この合意のことを、『契約』といいます」
2時間制については、どう考えればいいのか。
「『2時間制』であることを、店がお客さんに対して事前に伝えているのであれば、『2時間制』であることもまた、店とお客さんとの間に成立する契約の内容となります。
契約の内容となっている以上、2時間を過ぎれば、店はお客さんに対して、帰ってもらうよう要求することができます。
居座るお客さんの態度が悪質な場合には、契約違反となるだけでなく、不退去罪(刑法130条)として「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」となることもあります」
ただ、口頭で伝えただけだと「言った、言わない」の争いになるのではないか。
「そうですね。ホームページに記載したり、店内に明記したりするなど、契約の内容が後で争いにならないようにしておく工夫をするのがお勧めです」
30分以上居座った場合、「出禁」や追加料金は可能か。
「次の来店を断るかどうかは、店側の判断に任されています。また、追加料金をとろうとするのであれば、『2時間を超えた場合には、追加料金が、何分でいくらかかるのか』について、店からお客さんに対して、事前に伝えてある必要があります」
【取材協力弁護士】
浅野 英之(あさの・ひでゆき)弁護士
離婚・交通事故・刑事事件・相続など個人のお客様のお悩み解決実績、相談件数を豊富に有するほか、労働問題を中心に多数の企業の顧問を務める。銀座駅(東京都中央区)にて、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立、代表弁護士として活躍中。
事務所名:弁護士法人浅野総合法律事務所
事務所URL:https://aglaw.jp