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居酒屋の予約「無断キャンセル」で逮捕の衝撃…どんな場合でも罪に問われるの?

2019年11月15日 11:11  弁護士ドットコム

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居酒屋にうその予約を入れて、無断キャンセルしたとして、東京都の職業不詳の男性が11月11日、偽計業務妨害の疑いで、警視庁に逮捕された。


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報道によると、男性はことし6月、東京・有楽町の居酒屋に偽名を使って電話をかけて、団体予約(17人分・22万円)を入れたあと、無断でキャンセルした疑いが持たれている。



この居酒屋の系列5店舗でも、計75人分・51万円にのぼる被害があるという。警察の取り調べに対して、男性は容疑を否認しているそうだ。



飲食店のネット予約が広がる中で、無断キャンセルが社会問題となっているが、どういう場合に罪に問われるのだろうか。髙橋裕樹弁護士に聞いた。



●「偽計業務妨害にあたるケースはかなり少ない」

「結論としては、飲食店の予約無断キャンセルが、偽計業務妨害罪にあたるとして立件されるケースは、かなり少ないだろうと思います。



そもそも、偽計業務妨害罪は、簡単にいうと、陰湿な業務妨害行為をした場合に成立します。



今回のような無断キャンセルが、飲食店に対する陰湿な嫌がらせ(=業務妨害)の側面を持つことは明らかだと思います。



しかし、偽計業務妨害で立件するためには、『初めから無断キャンセルをするつもり』で予約をとったと言える必要があります。そうでなければ、予約を取る時点で偽計業務妨害罪の『故意』があったとは判断できないからです。



実際のところ、最初から無断キャンセルしようと思って、予約する人はまずいないでしょう。



つまり、偽計業務妨害罪にあたるような無断キャンセルの故意をもって予約をする人は稀で、事後的な事情の変更等でキャンセルすることになり、キャンセル料を支払いたくないから連絡せずに無断キャンセルをする、という方が圧倒的に多いように思います。



この場合は、偽計業務妨害罪にはあたりません」



●「キャンセルの一報は入れよう」

「今回逮捕された男性は、『初めから無断キャンセルをするつもり』で予約をとった疑いが強いとして、逮捕されたのではないかと思います。



そして、おそらく以前にも、無断キャンセルをしたことがある、あるいは、飲食店とトラブルを起こしたなど何らかの恨みを持っている可能性がある、などといった状況証拠(間接事実)があったのではないかと思います。



なお、予約の際に偽名を使ったり、架空の電話番号や、他人の電話番号を伝えたりしたとしても、そのことだけで、ただちに犯罪にはなりません(店側に個人情報をあまり知られたくないというときもあるでしょうから)。



ただし、無断キャンセルとなった場合に、予約名が偽名だったり、電話番号が架空だったりすると、『初めから無断キャンセルをするつもり』で予約をとったのではないか、無断キャンセルする前提だから名前も名乗らず、店側から連絡ができないようにしていたのではないか、という疑いを持たれることになります。



また、偽計業務妨害罪の故意があった、ということの状況証拠(間接事実)にもなる可能性があります。



これから年末の忘年会シーズンに入っていきます。



キャンセル料などの負担をおそれて、無断キャンセルしたくなる気持ちもあるかもしれませんが、飲食店の有形無形の損失もかなり大きいため、せめてキャンセルするということだけでも、一報しておくべきだと思います」




【取材協力弁護士】
髙橋 裕樹(たかはし・ゆうき)弁護士
無罪判決多数獲得の戦う弁護士。依頼者の立場に立って、徹底的に親切に、誰よりも親切でスピーディな、最高品質の法的サービスの提供をお約束!でも休日は魚と戦う釣りバカ弁護士!
事務所名:アトム市川船橋法律事務所
事務所URL:http://www.ichifuna-law.com/