企業には短時間勤務制度の導入が義務づけられている。3歳未満の子どもや要介護者を持つ労働者に対象に、1日の労働時間を短縮する制度だ。2009年の育児・介護休業法の改定により各事業所に義務づけられて以降、改正を重ねてきた。2017年の改正では、企業は従業員からの請求があった場合、介護のための労働時間短縮制度の利用も認めることが必須となった。
ワークライフバランスを保つためには必要不可欠な制度といえるが、実際に働いている人々はどう感じているのだろうか。企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた口コミを見てみよう。【参照元:キャリコネ】
「3歳に満たない子どもを養育する労働者」の対象を拡大する企業も
「産休・育休の制度はきちんとある。長年時短期間が3歳までだったがやっと小学生まで時短勤務が可能になった。時短の期間を長くしてくれたことはすごく組合が頑張ってくれたと思う」(研究開発、30代前半、女性、正社員、年収440万円)
「長期間の産休育休に加え、復帰後も時短勤務を活用している人が多数。非常に休暇が取りやすい。また、介護休暇についても必要に応じて柔軟に取得可能」(金融システム開発、20代後半、男性、正社員、年収550万円)
「出社時間は早めですが、残業はほぼありません。家庭や子育ての人は時短勤務などもできるので、長く働くことはできると思います。年末は長期休暇で15日ほど休みがあるので特に家庭がある人にとってはありがたいです」(医療福祉関連、30代前半、女性、正社員、年収450万円)
時短勤務を活用することで、子育てや介護が必要な労働者も仕事を続けることができ、ありがたいと感じている人が多いようだ。育児・介護休業法では「3歳に満たない子どもを養育する労働者」に対して、1日6時間までの労働時間短縮を認めている。短時間の勤務処置が難しい場合も、フレックスタイム制度や、出社・退社時間の繰上げや繰り下げなどの代替策を講じる必要がある。
企業によっては、対象になる子どもの年齢を小学生までに延長したり、長期休暇を取りやすくしたりするなど、独自の制度を構築しているところもあるようだ。育児・介護休業法による時短勤務だけでなく、企業の努力によって私生活と両立しやすい制度がますます整えられていくべきだろう。
「実際に利用している方がたくさんいる」
「私の働く店舗では保育園に通うお子さんをお持ちのママがいて、時短勤務をしています。私も結婚してそろそろ子どもも、と思っているので、働くママさんを見ていると働く時間の柔軟さが必要だと思います。実際に時短勤務や産休・育休などの福利厚生を利用している方がたくさんいるので、女性のライフプランに合わせた働き方ができる環境だと思います」(ショップスタッフ、20代後半、女性、正社員、年収250万円)
「育児中の社員は時短勤務をしている人がいる。それを悪く言う人はいない。最近では男性も育休をとるように働きかけている。出産や育児のガイドブックや、ここ最近では育児や介護に関するセミナーが実施されている」(その他、20代後半、女性、正社員、年収500万円)
結婚や出産を見据え、産後の働き方について真剣に考える女性もいる。自分の会社に時短勤務を利用している先輩がいれば、働きやすさや周りの雰囲気などを身近に感じることができる。産休育休後に、制度を上手に利用しながら仕事復帰しているロールモデルがいれば、後輩たちも後に続くだろう。
また、最近では育児や介護に関するセミナーを独自で行っている企業もある。男性の育休取得や時短勤務利用など、性別や世代関係なく、仕事を続けやすい土壌を作ることが重要だ。企業は、社員が働きやすくなる取り組みを続け、社員側も制度を利用しやすい空気づくりを積極的に行うべきだろう。【参照元:キャリコネ】