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『グランメゾン東京』木村拓哉×玉森裕太の師弟関係が復活! 3年前の事件にも新たな動きが

2019年11月11日 06:21  リアルサウンド

リアルサウンド

『グランメゾン東京』(c)TBS

 プレオープンの1週間前に突如現れたリンダ・真知子・リシャール(冨永愛)。パリ時代に尾花と恋人同士だったリンダは、グルメ版「マリ・クレール ダイニング」の編集長をつとめ、その評価が店の命運を左右するほどの影響力を持つ。リンダを納得させるデザートをつくるために尾花(木村拓哉)が向かったのは祥平(玉森裕太)が働くホテルだった。


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 『グランメゾン東京』(TBS系)第4話は、過去との邂逅がテーマ。「どうしても誘いたいやつがいる」と言って祥平のホテルに来た尾花は、パティシエの松井萌絵(吉谷彩子)に声をかける。以前、ホテルを訪れたときに萌絵のつくったプリンを食べて覚えていたのだ。しかし、萌絵は「ここにいる誰よりもセンスのあるデザートがつくれる」と豪語する女版・尾花のような人物だった。萌絵はその場でモンブランをつくってみせるが、「コースの一番最後を締めくくる役割を果たしていない」と尾花にダメ出しされてしまう。


 萌絵のセンスを貴重なものと感じた京野(沢村一樹)は祥平に萌絵のサポートを依頼。かつて尾花の元で腕を磨いた祥平にとって尾花は憧れの存在であり、認めてもらうために必死に努力を重ねてきたが、「尾花さんは俺を必要としていない」と報われない思いを抱いていた。その上に3年前の事件で、祥平と尾花の関係は冷え切っていた。そんな祥平だが、誰よりも“師匠”のすごさを知るが故に「お前だけじゃ勝てない。これは俺たちの勝負だ」と助太刀を買って出る。こうして実現した師弟対決が結果的に尾花と祥平をふたたび結びつけることになった。


 そして祥平にとって決定的だったのがプレオープン当日のアクシデントだった。突然いなくなった柿谷(大貫勇輔)の代わりに、祥平はグランメゾン東京の厨房に入る。取り扱う食材はウニ。エスコフィユでアレルギー成分が混入した日の食材もウニという因縁のメニューである。しかし、祥平は落ち着いた手さばきで次々と下ごしらえを済ませる。混入事件以来、祥平と尾花の間にできた目に見えない距離が、料理を通して縮まっていくような描写に胸が熱くなった。また、料理に妥協しない祥平の姿勢は師匠譲りであり、祥平が料理人として多くのものを尾花から受け継いでいることが伝わってきた。


 最後に残されたのはデザート。萌絵と祥平が考えた「モンブラン・アマファソン」をリンダは「C’est magnifique(素晴らしい)」と称賛して帰っていく。リンダの書いた記事にはグランメゾン東京への期待が並んでいたのだが……。


 成功に見えたプレオープンを通じて、自身の未熟さを痛感した萌絵は尾花たちに謝る。「楽勝でつくったなんて嘘です。本当はあのモンブランは平古シェフが必死に努力してつくった料理です」。「私は見た目をつくっただけ」と反省の言葉が萌絵の口を突いて出るが、「このモンブランはお客様を喜ばせた。それがすべて」と尾花は評価する。料理人としての向上心をかきたてられた萌絵は「この店で働かせてください」と嘆願。その言葉を聞いた祥平も「俺はただ単純に美味い料理がつくれていなかっただけ」と初心に帰る。


 過去との再会が新たな扉を開く第4話では、スパイの存在も示唆された。グランメゾン東京に江藤(手塚とおる)の魔手が伸びる。オープンを前にして止まっていた時間が動き出し、3年前の事件にふたたび光が当たる。表向きは尾花や丹後(尾上菊之助)の店を訪ねて来日したリンダの本当の目的も気になるところだ。


 コース料理の最後を締めるデザートが完成し、パティシエを得たグランメゾン東京。かつての仲間たちに新しい顔ぶれも加わり、船出する尾花たちの前にはどんな運命が待っているのだろうか?


■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。