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『おっさんずラブ-in the sky-』黒澤キャプテン、春田に“前作越え”の告白! 戸次重幸の秘めたる想いとは

2019年11月10日 12:31  リアルサウンド

リアルサウンド

土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』(c)テレビ朝日

 個々のキャラクターの魅力があふれ出る『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系)第2話。


参考:場面写真ほか多数


 成瀬(千葉雄大)は誰に対しても常にツンケンしていて、本当の感情を表に出さずにひとりでなんでも抱え込もうとする。しかし実は誰よりもこの仕事や飛行機が好きで、そのための勉強を怠らない人。四宮(戸次重幸)は、「好きなものは最後に取っておく」性格がゆえに、デザートのイチゴのように好物を他の人にさらわれてしまい、自分の本当の気持ちをひた隠しにすることで損をしてしまう人。黒澤キャプテン(吉田鋼太郎)は、「朝会うとうれしい」「思わずネットで名前を検索してしまう」「考えると不意に涙が出てくる」と、春田(田中圭)への乙女な恋心にまっすぐで、その“惚れっぽさ”が絶妙に愛おしい人。恥じらいを見せながらも自分の想いに忠実に行動する緋奈(佐津川愛美)に、他人のいいところをよく見ているとにかく人のいい春田。それぞれにもどかしい部分もあり、好きにならざるを得ないキャラクターたちだ。成瀬のパワハラ疑惑も最終的には彼の不器用さに起因するものだったから、この世界の愛の多さに触れて心が温かくなる。


 第2話の注目ポイントとしては、その成瀬のパワハラ騒動と、黒澤キャプテンの告白が挙げられるだろうか。春田が“本当の意味”で発した「月が綺麗ですね」という言葉を「I love you.」の意訳だと勘違いしてしまった黒澤キャプテンは、みるみるうちに春田にガチ恋。装飾の凝り方でいうと明らかに“前作越え”のプロポーズをするに至る。「春田くんのことを、好きになってもいいですかー!」。その背景にはおなじみのハートマークが浮かび上がり、吉田鋼太郎ならではの有り余る声量も抜群に生かされた場面。春田がオッケーサインを示したとまたまた勘違いしてしまったことで、ついに黒澤キャプテンの恋は春田への着陸をめざして飛び立ってしまった。


 しかし、それを覆す衝撃の展開がラストに。緋奈とのデートでいい雰囲気になったところで、背後に突如現れる緋奈のお父さんの影。それがまさかまさかの黒澤キャプテンだったのだ! 父と娘で同じ男を取り合うという、類を見ないトライアングルが形成されてしまった。


 まるで春田への想いを探るようにして、好意の所在を問う登場人物たちの姿も印象的だ。四宮は緋奈に、春田との関係がうまくいっているのかを尋ねる。成瀬は四宮に「(春田のことを)好きなんですよね?」と問い、「キスしたんですよ、春田さんと」と挑発する。黒澤キャプテンも春田へ告白する前に四宮に了解を得るが、彼は「私はこれ以上の関係を望んでいません」とキッパリ答える。


 こう振り返ると、そのすべてに四宮が関わっていることに気づくだろう。そこには、四宮の真意はまだ明らかではないものの、春田への秘めた想いと、それをしっかり描写しようとする本作の意志すら読み取れそうだ。すべては四宮と春田がゴールインするまでの布石なのか。今後楽しみなのは、イチゴを取られたときのように、四宮の“想いが爆発する”瞬間。しかし誰が誰に想いを寄せることになるのか、このラブバトルはまだまだ先が読めない。 (文=原航平)