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King & Prince、考え抜いて出した答えが自分たちの色となっていく 連続ドキュメンタリー第3回を見て

2019年11月07日 10:31  リアルサウンド

リアルサウンド

King & Prince

 連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)シーズン2が10月18日よりスタートした。「King & Prince~2年目の覚悟~」と題して、デビュー2年目を迎えたKing & Princeに再び密着。第3回は、「僕らの航海」と題して、彼らの奮闘ぶりを追った。


(関連:King & Princeを突き動かす“ジャニーズ魂”と恩師の言葉 連続ドキュメンタリー第2回を見て


■『DREAM BOYS』への挑戦


 滝沢秀明からKAT-TUN・亀梨和也、Kis-My-Ft2・玉森裕太を筆頭に、これまで数え切れないほどのジャニーズタレント、ジャニーズJr.が出演してきたジャニーズ屈指の舞台が『DREAM BOYS』だ。今回、先輩たちが築き上げてきた舞台を、岸優太と神宮寺勇太が受け継いだ。


 まずは、物語の要となるボクシング練習に励む二人。岸はさらにギターの練習も並行して行っていた。ボクシングもギターも初めての挑戦が続いた岸。歯ブラシを咥えてギターを弾く姿からは必死さが伝わってきた。


 稽古場には堂本光一の姿があった。ジャニー喜多川の亡きあと、滝沢秀明がKinKi Kidsの堂本光一に演技指導を依頼していた。堂本は本編に続いて設けられたパートについて、「ショータイムいらなくないっすか?」と提案。スタッフは「ファンサービスとしてやっておかなければ」と返答したが、「いや、俺、ジャニーさん別にそんなこと言わないと思う。本編が良ければショータイムなんていらないんだよって言われたことあるもん」。ほんのりモノマネ感を含ませた堂本。続けてこう投げかけた。「本人として何をみせたいか、君たちが何をみせたいか」。


 岸と神宮寺は頷いて「はい」と返すのが精一杯の様子。堂本は「偉いね、そこ悩むの偉いね」、「ファン想いだな」と、厳しくも優しい表情を見せた。


 受け継いだものを守ることは、先輩と同じことをすることではない。本質からブレなければ、形を変えることも選択肢の一つだ。自らの舞台で体現してきた堂本ならではのアドバイスは、本人たちに考えさせるように導いていたのが印象的だ。考え抜いて出した答えこそが、自分たちの色となり、物語に重なっていくのだろう。


■考えて決めるーー演出の難しさ


 岸は『DREAM BOYS』でキューブを使ったパフォーマンスに挑んだ。「体力つかいますね~」と、身体よりも大きなキューブに苦戦していた。「もっと上ができたらもっと上を目指す。最低限、これが最低限だから」スタッフも追い込む。キューブは舞台上で回すだけでなく、フライングの演出にも使われた。逆さに吊られた状態で手を使わず、岸の首だけで支えるという。


 別のスタッフが「こいつだけの力で勝負にさせたい」と、岸の補助として配置されていた女性パフォーマーに説明した。岸に対しては「補助なし。そこで勝負しないで……(女性パフォーマーたちは)お母さんじゃないんだからさ。一人でやらなきゃダメよ」、「ダメ、あり得ない」。現場には堂本の他にも、表現に対して妥協しないスタッフがいた。


 9月3日。肩の痛み、喉の痛みを訴え、満身創痍とも呼べる状態で臨んだ本番。岸はギターソロに、キューブ、フライングをしながらキューブを操っていた。その姿は当初、手こずっていたのとは別人のようだった。


 初日のステージを終え、神宮寺は「やりながら鳥肌立ったシーンとか結構あったんで。すごい経験しましたね」。岸は「ジャニーさん絶対に観てくれてたと思うので、『いいね』って言ってもらえるようなパフォーマンスは、もうできるところは全部やったので、そこはもう堂々とジャニーさんに見せられたかなと思います」。二人とも手ごたえを感じたのか、曇りのない表情を浮かべていた。


 コンサートツアーの一コマ。岸と平野紫耀は現地のスタッフから方言を習ってライブ中に取り入れていたように、地道な努力と工夫を重ねていたのが印象に残る。自ら追い込むことに加えて、周囲のスタッフ、環境からも追い込まれるようにして、一歩ずつ成長していく様子が伝わってきた。


 King & Princeの密着は今回で一旦終了。次回は2020年に放送予定とのこと。この後も、平野、永瀬廉、髙橋海人が出演する舞台『JOHNNY’S ISLAND』が控えるなど、King & Princeの奮闘はまだまだ続く。(柚月裕実)