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「節子」「清」…古風なシワシワネーム、子どもが嫌がったら改名できる?

2019年11月05日 11:31  弁護士ドットコム

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難読で珍しい「キラキラネーム」ではなく、この数年は、古風な名前をつける「シワシワネーム」が注目されつつあります。


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10月28日放送のニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」によると、男の子だと「茂(しげる)」、「清(きよし)」、女の子だと「千代子(ちよこ)」、「和子(かずこ)」といったものだそうだ。番組では、読みやすさを重視しているとの声も紹介されていた。



ヤフー知恵袋で「シワシワネーム」を探してみると、生まれた子が同世代の子どもとかぶらないように、「京子」と名付けたところ、「可哀想すぎる、シワシワネーム、いじめられる」などと周囲から言われてしまったそうだ。



また、「美津子」という名前の女性から、「おばあちゃんの名前みたいだよね。と言われました」「友達に言われ、さらにコンプレックスになりました」と悩みを打ち明ける投稿もありました。



ちなみに、女子高生の「聖子」さんから、「聖子ってダサいよね(笑)昭和にいそう(笑)」と言われたことでショックを受けたという投稿もありました。



確かに、「シワシワネーム」は読みやすいかもしれませんが、結局、周りの目を気にして、悩んでしまう人もいるようです。改名することはできるのでしょうか。



●改名すること自体は可能だが・・・

改名には2パターンあります。



(1)名の漢字(文字表記)は変更せずに、読み方だけを変える場合は、比較的簡単に目的を達せられます。しかし、キラキラネームとは異なり、シワシワネームの場合は、難読ではないことが多いため、読み方だけを変えても意味がないケースが多そうです。



もうひとつは、(2)名の漢字(文字表記)を変更する場合で、家庭裁判所の許可が必要となります。



戸籍法には、正当な事由によって、戸籍の名を変更するには、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならないとされています(107条の2)。



正当な事由とは、改名をしないとその人の社会生活において支障を来す場合をいうとされ、単なる個人的な趣味や感情等のみでは裁判所は名の変更を許可しないといわれています。 正当な事由の具体例としては以下のようなものがあります。



(1)営業上の目的で襲名を行うとき



(2)親族に同姓同名者がいるとき



(3)珍奇・難解・難読で社会生活上著しく支障があるとき



(4)日本に帰化した者が日本風に名前を改める必要があるとき



(5)長期間にわたり通称名を使用している場合(いわゆる「永年使用」)



キラキラネームの場合は、(3)に該当する可能性がありそうです。しかし、シワシワネームの場合は、あまりに珍奇で、難解な名前をつけられていた場合は別ですが、例えば、「茂」や「千代子」といった名前では、(3)として認められる可能性は低いでしょう。



それでも改名したい場合は、自分が決めた名前(「通称名」といいます)を日常生活で数年間使用していたという実績を積むことで、(5)に当たるとして許可を得ることが考えられます。



いずれにせよ、子どもが将来思い悩むことのない名前をつけてあげることが大切でしょう。