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「パスタ2品だけ注文」の客にレストランが怒りのツイート、客に問題はあった?

2019年11月04日 09:22  弁護士ドットコム

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イタリアンレストランを訪れた親子が、「パスタ2品」しかオーダーしなかったとして、店の人がTwitterで怒りをぶちまけ、話題となりました(現在はアカウント削除)。一体、何があったのでしょうか。店の人は次のように連続でツイートしていました(一部抜粋)。


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「オーダーを聞きに行くとパスタ2品のみ 前菜やメイン料理のオーダーを尋ねるといらないと言う 一応リストランテなのでパスタのみでのオーダーは受け付けていないので最低料金を下回る場合、席料を頂戴する旨を伝える」



「すると、あろうことか言うに事欠いて 『二人ともあまりお腹が空いていないんですけど…』 このセリフどう思いますか? レストランですよ?」



「身の丈にあったお店選びや来店前にでも予約するなどお客様も(食べる準備)をして頂きたいと思います。 軽食や小腹を満たすためなら日本は世界一コンビニやファミレスが多い国(笑)なのでそちらで賄った方が良いと思います」



その後、熱く料理やリストランテへの思いを語りつつ、客に対しては「身の丈にあったお店」であるコンビニやファミレスを勧めるというツイートが炎上してしまいました。



確かにリストランテはコース料理が中心ですが、客側にもお財布事情や腹の具合があります。実際に「パスタ2品」だけをオーダーすることに問題はあるのでしょうか。石崎冬貴弁護士に聞きました。



●お店とお客さんの合意があれば「パスタ2品」でも問題はない

コース料理中心のリストランテで、「パスタ2品」だけを頼むのは問題ないのでしょうか?



「食事の提供と代金の支払いは、お店とお客さんとの間の契約ですから、このケースでも、どのような合意をしたかによります。



『基本はコース料理のみ。パスタ2品だけの場合、席料をもらう』とお店が告げ、お客さんが『それでよい』と話したのであれば、その内容に従えば問題ありません。お店はパスタ2品を提供し、お客さんは席料とパスタ2品の代金を支払えばそれで終わりです。



したがって、このやり取り自体は問題ないということになります」



店側のTwitterによると、「席料」は「最低料金」を下回った場合に求めているそうですが、これらはどういう位置付けになるのでしょうか。



「お店側がどのような意図で『席料』としたのか分かりませんが、バーなどでよく見られるように、『テーブルチャージ』や『ミニマムチャージ』というのは珍しくはありません。



お店として、最低限お客さんに支払ってもらいたい場所代を設定しておいて、その金額を取ることは可能です。もちろん、お店が、事前にお客さんに伝えて、了解を得る必要があります」



●退店させることもできたが、さらし上げは軽率

お店は「パスタ2皿」だけの客に退店してもらうことは可能なのでしょうか?



「あくまでお店とお客さんの合意によって決まりますから、今回の場合、お店としては、逆に、『コース料理だけだからアラカルトはない』ということを説明し、退店してもらうこともできました。



飲食店のお客さんには、色々な方がいますし、色々な経緯、動機で来店します。飲食店としては当たり前の情報や感覚でも、一般の方からしたらぴんと来ないこともあります。お店として、また、職人としてのプライドがあるのは当然ですが、それを後から、SNSという公開の場で、さらし上げるようなことをしたのは、やはり軽率だったと思います」




【取材協力弁護士】
石崎 冬貴(いしざき・ふゆき)弁護士
神奈川県弁護士会所属。飲食業界の法律問題を専門的に取り扱い、食品業界や飲食店を中心に顧問業務を行っている。著書に「なぜ、一年で飲食店はつぶれるのか」「飲食店の危機管理【対策マニュアル】BOOK」(いずれも旭屋出版)などがある。
事務所名:弁護士法人横浜パートナー法律事務所
事務所URL:http://www.ypartner.com/