[caption id="attachment_111157" align="alignright" width="300"] Image: Jason Dorfman/MIT CSAIL[/caption]
MITのコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)によって開発されたロボットキューブは、空中を飛び回り、地面を転がってシンプルなタスクがこなせる。
6年前に立ち上げられたロボットキューブ開発プロジェクトは、自己組み立て型ロボットを災害救助などさまざまなシーンに投入することを想定したものだ。ロボット群は、驚くほど単純な仕組みで動作し、将来は複雑なタスクをこなせるようになる可能性がある。
・内部のホイールが毎分2万回転で動く[caption id="attachment_111158" align="alignright" width="300"] Image: Jason Dorfman/MIT CSAIL[/caption]
一般的なロボットは、パーツや構成が複雑なため、単純なタスクを実行するのにも複雑なオペレーションが必要となりがち。
ロボットキューブの開発を開始した2013年に、研究チームはロボットを動作させるための単純なメカニズムを思いつく。キューブ内側にホイールを封入し、これが高速回転することでロボットの動きを制御する方法だ。毎分2万回転で24の方向に動くホイールは、ロボットアームなどとは違い突き出ている部分がないため破損の心配も少ない。
キューブの各角と面には磁石を備え、互いを接続できる。こうした性質からロボットキューブは、「Mブロック」(MはMotion/Magnet/Magicに由来)と呼ばれている。
・100万個のモジュールに拡張できる[caption id="attachment_111159" align="alignright" width="300"] Image: Jason Dorfman/MIT CSAIL[/caption]
そして最近、従来型のロボットのもう1つの課題、互いのコミュニケーション手法についても解決策を見出した。赤外線やWi-Fiなどを活用した通信では、とりわけ複数台でコミュニケーションを取り合うロボットにおいて、電波干渉などにより通信が不安定になりがち。これを解決するために、Mブロックではキューブの各面をバーコードのように機能させて互いに認識できるようにした。
動画からもわかるように、Mブロックで形成した線の上を別のMブロックが転がったり、互いの放つ光に反応して動いたりなど、単純なタスクが実行できる。
こうしたシステムは低コストで堅牢、拡張性も高く、100万個のモジュールに拡張できる可能性もあるという。
災害救助のシーンでは、Mブロックが即席の階段になり救助員や避難者を導くといった活用が想定されているほか、ゲームや製造の現場などでの活用を考えているという。
参照元:Self-transforming robot blocks jump, spin, flip, and identify each other/MIT News