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モード学園出身デザイナーによる「クリッシェ」デビュー、蛾のフォルムから繊細な女性をイメージ

2019年11月03日 08:32  Fashionsnap.com

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2020年春夏コレクションより Image by: FASHIONSNAP.COM
モード学園出身のデザイナー アイリス・ケイ(Iris Kei)が手掛ける新ウィメンズブランド「クリッシェ(KLICHÉ)」が、2020年春夏コレクションでデビューする。 
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 中国生まれのアイリスは神戸で四年制大学に通った後にモード学園でファッションデザインを学び、2017年に卒業。企業には就職せずブランド立ち上げの準備を進めた。運営の基盤が整ったため、デビューに踏み切ったという。
 ブランド名の「KLICHÉ」は、ステレオタイプを意味するフランス語の「cliché」に由来。「世の中にはそもそも完全な新しいものがなく、既存のものからクリエイティブを更新していくことしかできないと思ったから」という自身の考えを反映したという。頭文字にはCの代わりに自身のイニシャル「K」を冠した。コンセプトは旧約聖書に登場することわざ「there is nothing new under the sun(=この世に新しきものはない)」で、様々なテクスチャーの組み合わせやパターンの引き方で既存のフォルムを独自に解釈したスタイルの構築を目指す。
 デビューシーズンは、ロックバンド レディオヘッド(Radiohead)の楽曲「Creep」と「All I Need」の歌詞にある「You float like a feather」と「I'm a moth who just wants to share your light'」というフレーズから着想。ふたつを合わせて「蛾の如く、女性は軽い羽を叩いて、輝く光を追い求めてゆく」と捉え、恋愛に対する繊細な感情に揺れ動く女性のイメージをコレクションに落とし込んだという。
 蛾のフォルムにインスピレーションを得たというジャケットは、ショルダーに羽をイメージしたフリルを付け、ボタンで開閉できるようにすることで孵化していく様子を表現。トレンチコートをベースにしたアウターは、裾にフェザーパーツを合わせ、蛾が浮遊する様子とフェミニンな要素を掛け合わせたという。コレクションはジャケットやキュロットパンツ、Tシャツなど全24型で構成し、価格帯は1万円台~8万円台。
 日本を拠点にアジアへの進出を目標にしており、国内で知名度を上げて卸売での売上を安定させた後、出身地である中国で発表を目指す。
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