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Amazonジェフ・ベゾス氏、『世界長者番付』首位陥落もすぐに返り咲き

2019年11月03日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 AmazonのCEOで創業者のジェフ・ベゾス氏は10月24日、世界一の富豪の肩書を一時失い、首位をMicrosoft創業者のビル・ゲイツ氏に明け渡したが、その後すぐに首位を奪還した。


(参考:Amazonで他人の注文履歴や名前・住所など、個人情報が表示される不具合 ネット上で混乱広がる


・Amazonの株価が大きく影響、今後も予断許さない
 同日Amazonが示した第4四半期の業績見通しが、売上高・利益ともに市場予想を下回り、株価が7%下落。Amazonのおよそ12%の株式がベゾス氏資産の大部分であり、大きな影響が出た。


 25日には、Amazonの株価は24日の終値と比較して下落したものの、その下落は24日の時間外取引ほど急激ではなく、僅かに1%。ベゾス氏の純資産は一時、1,039億米ドルで2位になったが、その後1,099億米ドルに持ちかえし、見事に首位に返り咲いた。その時点で、2位ゲイツ氏の純資産は、1,058億米ドルだった。


 『Forbes』は、ベゾス氏の首位は、今後も予断を許さない状況だと指摘する(参考:https://www.forbes.com/sites/angelauyeung/2019/10/25/after-briefly-falling-to-number-two-jeff-bezos-is-back-as-the-richest-man-in-the-world/#20911bf661bf)


 Amazonは、プライムサービスの配送を翌々日から翌日へ移行するにあたり、インフラに大きな投資を続けており、ベソス氏は再び首位の座を明け渡す可能性も。Amazonは、7月の第2四半期の決算報告で、プライムサービス翌日配送計画に8億米ドル以上を費やしたと報告。Amazonの第3四半期の純利益は26%減少した。第4四半期には配送プログラムの拡大に15億米ドルを費やす予定だ。


 ベゾス氏の財産は、Amazonの業績に大きく依存している。一方、1975年にMicrosoftを共同設立したゲイツ氏は、2014年に会長を辞任し、Microsoftの株式所有は僅か1%だ。複数企業の株式やその他の資産に分散させて、資産を多様化し、Microsoftへの依存度が低くなっている。今年Microsoftは好調で、ゲイツ氏も積極的に投資を行っている。


・ベゾス氏は離婚で、ゲイツ氏は慈善で巨額資産を手放す
 ベゾス氏は、2018年の長者番付でゲイツ氏に代わり首位になり、その後、ビル・ゲイツ氏と頻繁に入れ替わっている。『Forbes』は、拮抗するベゾス氏とゲイツ氏がこれまでに資産を減らした要因を説明した(参考:https://www.forbes.com/sites/angelauyeung/2019/10/24/jeff-bezos-is-no-longer-the-richest-person-in-the-world/#63494c8a67ae)。


 ベゾス氏は、マッケンジー・ベゾス氏と離婚し、夫妻所有のアマゾン株の4分の1を財産分与で失ったことが大きく響いている。離婚していなければ現在、安定して首位を維持していたことだろう。


 一方、ビル・ゲイツ氏は、慈善活動にも非常に熱心で、ビル&メリンダ・ゲイツ財団にこれまで350億米ドルを寄付している。この慈善事業を行っていなければ、そもそも首位を明け渡すことはなかったかもしれない。


(Nagata Tombo)