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同僚の社内規程違反を通報し続ける「正論マン」、排除するのはパワハラ?

2019年11月01日 10:41  弁護士ドットコム

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社内規程に違反している同僚たちを通報し続けてきた「正論マン」が、社内の打ち合わせなどから排除されてしまったことをつづった、はてな匿名ダイアリー「『正論マン』をやっていたら会社内に居場所がなくなった」(https://anond.hatelabo.jp/20191021211409)が話題になった。


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筆者は、新入社員の研修で、通報窓口があることを知らされ、配属してから2年以上が経つ現在までに、どんなに細かいことも含めて、50件ほど通報したという。通報を受けて、懲戒処分となった同僚もいるそうだ。



しかし、最近になって、打ち合わせへの参加を求められることがなくなり、本当に事務的なことしか情報が共有されず、陰で「正論マン」と悪口を言われていることがわかった。人事にそのことを伝えると、「君はうちの会社には向いてないかもね」と言われ、パワハラだと受けとめたそうだ。



この匿名ダイアリーについては、「嘘じゃないか」といった指摘もあるが、「正論マン」のような人が煙たがられることは、一般的にありそうな話だ。「正論マン」を排除することは、ハラスメントになる可能性があるのか。村松由紀子弁護士に聞いた。



●通報したことで排除することは許されないが・・・

「2006年に公益通報者保護法が施行されたことを契機として、企業内に通報窓口を設ける会社が増えています。同法が制定されたのは、適切な通報の対応と体制の整備は、自浄作用が機能する内部統制の構築に資すると考えられているためです。



そこで、同法の保護の対象となる犯罪事実等の通報はもちろん、それ以外の事実であっても、通報したことをもって、『排除する』といった不利益な取り扱いをすることは、許されないと考えられています」



では、「正論マン」の対応に問題はなかったのか。



「『正論マン』は、2年の間に細かいことも含めて、50件ほど通報したということです。通報内容の詳細が不明ですが、極めて細かい違反を逐一通報し、それによって、他者の業務の円滑な遂行を妨げたり、職場環境を害したりしているような場合には、その通報が通報窓口の設置目的に適合しているとは言い切れません。



企業は他の従業員の職場環境を守る義務も負っているため、その中で、『正論マン』の業務内容の変更や配置転換を行わざるを得ない場面も生じるでしょう。



なお、『君はうちの会社には向いてないかもね』との発言は、『退職勧奨』ともとられるパワハラにあたりうる発言だと思います。一方、打ち合わせへの参加を求められることがなくなる、本当に事務的なことしか情報が共有されないといったことは、一概に不当だとは言えないと考えます。



通報窓口設置の目的を考え、目的にそった通報に限定するという姿勢も必要なのではないでしょうか」




【取材協力弁護士】
村松 由紀子(むらまつ・ゆきこ)弁護士
弁護士法人クローバーの代表弁護士。同法人には、弁護士4名が在籍する他、社会保険労務士4名、行政書士1名が所属。企業法務を得意とする。その他、交通事故をはじめとする事故、相続等の個人の問題を幅広く扱う。
事務所名:弁護士法人クローバー
事務所URL:http://www.yun-ken.net/