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「ガラケー女」デマ流された女性、豊田市議の和解拒否「謝罪は受け入れられない」

2019年10月31日 15:32  弁護士ドットコム

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茨城県守谷市の高速道路で起きたあおり運転事件で、車に同乗していた女性被疑者と似ているとしてデマを流され、名誉を傷つけられたとして、誹謗中傷を受けた東京都の女性が10月21日、愛知県豊田市の原田隆司市議(57)に慰謝料100万円を求める訴訟を東京簡裁に起こした。訴訟は25日付で東京地裁に移送された。


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女性の代理人が10月31日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開き、「2カ月弱の協議の期間を経たうえで(原田市議に)無視されていた。真摯に向き合う気持ちがあるのか疑問」と和解を受け入れない方針であることを明らかにした。



現在、ツイッターでデマを拡散した人やトレンドブログの運営者など、自ら名乗り出た人について7件の和解が成立しており、近日中にさらに1件成立する見込みだという。



●「弁護士と相談」その後、連絡途絶え

代理人の小沢一仁弁護士は、原田市議を提訴した理由について、「特定できた人から請求している。メールでやり取りしていたところから3週間連絡が途絶え、話し合いとして煮詰まったと考えたため」と説明。



8月28日に原田市議に慰謝料100万円の支払いを求める通知書を発送したあと、9月10日に原田市議から謝罪の手紙が届いたが、慰謝料に関する言及はなかった。9月13日に「弁護士と相談することになりました」とのメールがあったが、その後連絡はなかったという。



通知書の到着から連絡まで時間がかかったことについて、原田市議は10月30日に開いた記者会見で、繰り返し小沢弁護士に電話をしたがつながらなかったなどと発言している。



これについて、小沢弁護士は「通知書が原田市議の元に到達した8月30日から11日間、一切連絡がなかった」と指摘。これまでの経緯を振り返り「軽く見られていたという印象を受ける」と苦言を呈した。



また、会見で市議に非難が集中したことにより、女性の気持ちが分かったかのような発言が あったことについて、女性は「非難の質が違う。本当に気持ちが分かっているとは思えな い」といい「謝罪は受け入れられない」と話しているという。



今後、SNSや匿名掲示板などで同じようなデマを流した百件単位の投稿や記事についても、発信者情報開示請求の手続を進めている。将来的には特定できた人物全員に対して賠償金を請求するという。



●事件の経緯

8月16日 茨城県警により、男性被疑者が全国に指名手配される
8月17日早朝 ツイッターに、車に同乗していた女性はAさんであると名指しし、AさんのInstagramのアカウントをスクショした投稿がされる
8月17日朝 Aさんが自身のFacebookに「完全に事実と異なりますので無視してください」と投稿
8月18日午前 男性被疑者の逮捕報道
8月18日夜 女性被疑者の逮捕報道



8月27日 第三者からの情報提供で、原田市議のFacebook投稿が発覚
8月28日 原田市議に慰謝料100万円の支払いを求める通知書を発送
9月10日 原田市議から謝罪の手紙が届く
9月11日 原田市議から「どのような要求でしょうか」といったメールが届く
9月13日 原田市議は弁護士と相談することになったと回答
10月14日 その後連絡がなく、女性が原田市議に対し民事訴訟を提起する意向を固める
10月21日 東京簡易裁判所に民事訴訟を提起
      原田市議から慰謝料について「お支払いすることはできかねる」との手紙が届く
10月25日 東京簡易裁判所が、本件訴訟を東京地方裁判所に移送を決定
10月27日 提訴の報道
10月29日 原田市議がFacebook上で謝罪動画を公開
10月30日 原田市議が記者会見を開く