吉田大八監督の新作映画『騙し絵の牙』が2020年6月に公開される。
塩田武士の同名小説をもとにした同作は、大手出版社・薫風社の次期社長を巡る権力争いを描いた作品。薫風社のカルチャー雑誌『トリニティ』の編集長・速水輝は、大改革を進める専務・東松に無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが、新人編集者の高野恵を巻き込み、生き残りを賭けた大逆転の奇策に打って出る、というあらすじだ。脚本は吉田大八監督と楠野一郎が担当。本日10月30日にクランクインし、12月上旬クランクアップ予定だ。
主演を務めるのは大泉洋。笑顔の裏に「牙」を秘める雑誌編集長の速水輝役を演じる。原作者の塩田武士は『騙し絵の牙』執筆に際して大泉洋を主人公に当て書きし、表紙にも起用。大泉洋は「もちろん主演は私が務めさせていただきます。とりあえず別の俳優さんに役を奪われなくて良かったと、ホッとしております(笑)」と喜びを語っている。
文芸誌『小説薫風』新人編集者の高野恵役に松岡茉優、薫風社の雑誌を廃刊のピンチに追い込む次期社長候補の専務・東松役に佐藤浩市がキャスティング。吉田大八監督作品への出演は『桐島、部活やめるってよ』以来となる松岡茉優は「時間が経ってまた呼んで頂けたことを誇りに思い、緊張感を持ち、憧れの先輩方との共演に胸を躍らせながら日々過ごしていけたらと思います」と述べている。佐藤浩市は「突っ走り続ける大泉洋を間近で見るのを楽しみに現場に行かせてもらいます」とコメント。
また吉田大八監督は「誰しもいつかは負けるので、人間はいま負けているか、勝ちながら負けることを予感しているかに分かれます。それがわかっていても何故か戦ってしまう、どうしようもなく面倒で熱苦しい人間たちの映画を作りたいと思います」と意気込みを語っている。
なお、11月21日に原作小説『騙し絵の牙』の文庫版が刊行。新たなカバーが使用されているほか、大泉洋が解説を担当している。
■大泉洋のコメント
私を主人公として当て書きした塩田先生のベストセラー小説の映画化が決定し、いよいよ撮影に入ります!もちろん主演は私が務めさせていただきます。
とりあえず別の俳優さんに役を奪われなくて良かったと、ホッとしております(笑)
また共演に松岡茉優さん、佐藤浩市さんと伺い、これほど心強い共演者は居ないと歓喜しております。
お2人とは「上司と部下」という関係になりますが、台本上も一癖も二癖もある役どころなので、今からどんなお芝居になっていくのか楽しみでしかありません!
吉田大八という素晴らしい監督と共に、原作とはまた違う、映画版としての魅力を持った『騙し絵の牙』を創り上げたいと思います。ご期待ください。
■松岡茉優のコメント
高野恵役の松岡茉優です。
実家が町の本屋さんをやっている恵は小さい頃から本、そして本が好きな人たち、人と本との出会いを日常的に目撃してきました。
私自身小さい頃から本が好きで、小説も漫画も雑誌も実用書も読みますが、その形は年々変化し今では紙の本と電子が半々です。
出版業界の今を描く今作で、これからの本はどうなっていくのか、どうなっていけるのか、皆様と模索していけたらと思っています。
吉田監督とは『桐島、部活やめるってよ』以来となります。
16歳だったあの時から8年経ち、私は24歳になりました。
有難いことにあれから様々な現場を経験させて頂きましたが、8年経ったのに、とがっかりされないか。
あの時より成長出来ているのか、もしかしてあの時より良くなかったりして。
などなど吉田監督への想いで溢れます。
時間が経ってまた呼んで頂けたことを誇りに思い、緊張感を持ち、憧れの先輩方との共演に胸を躍らせながら日々過ごしていけたらと思います。
ぜひ楽しみにしていてください。
■佐藤浩市のコメント
大泉洋くんとは前作『こんな夜更けにバナナかよ』ではほとんど絡みはなく、『清須会議』以来のお芝居になります。
突っ走り続ける大泉洋を間近で見るのを楽しみに現場に行かせてもらいます。
■吉田大八監督のコメント
誰しもいつかは負けるので、人間はいま負けているか、勝ちながら負けることを予感しているかに分かれます。
それがわかっていても何故か戦ってしまう、どうしようもなく面倒で熱苦しい人間たちの映画を作りたいと思います。
テーマはもちろん「負けて勝つ!」です。
初めましての大泉洋さんと佐藤浩市さん、そしてお久しぶりの松岡茉優さんとの仕事を心から楽しみにしています。