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翔平の“働き方に対する考え”から感じたこと 『テラスハウス』第18話未公開映像

2019年10月29日 11:31  リアルサウンド

リアルサウンド

『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

 Netflixで配信されているリアリティーショー『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』。10月9日にYouTubeにアップされた未公開映像には、翔平の卒業インタビューが収められていた。


(関連:翔平が現女性メンバーと恋に落ちることはない? 『テラスハウス』第13話未公開映像


「僕は、賛否両論が好き」


 18TH WEEKの本編で、突然テラスハウスを去っていった翔平。彼が卒業インタビューで語った中で、最も印象深いのは、“働き方に対する考え”についての質問だった。


 翔平と言えば、本編(2TH WEEK)で、「そういう“専業しか認めません”みたいなヤツら、もう、どんどん死んでいくからよくない?」と吐き捨てた言葉が衝撃的だった。同じように、このシーンが最も印象に残っている視聴者は、少なくないはず。


 テラスハウス内で、仕事に関する話題になると、そのたびに翔平は“俺は一つに絞らずに、いろいろな仕事を幅広くやっていきたい”と、自身の価値観を貫き通していた。どんなに周囲から、否定されたり、反対されたりしても、その考えだけは、絶対に曲げなかった翔平。それだけに、同じテラスハウスに住む、春花を筆頭にメンバーと衝突するときは、大抵“仕事観の違い”が原因だったように思う。ほかにも、翔平がこの“仕事観”を口にするたびに、スタジオメンバーからは痛烈に批判され、アルバイト先の大工さんからも「おめえ、相変わらずぼんやりしてんだね」「貧乏なだけで器用じゃねぇけどな」と指摘されていた。


 翔平が『テラスハウス』を通して世間に提示したのは、恋愛でも夢でもなく、“働き方に対する考え方”だったのだ。


 そんな彼が自ら発信した“仕事観問題”について、最後に残したのは、こんな意見だった。「僕は、賛否両論が好きなので。すごく良かったですね、あれは。ただ、一つ言いたいのは、僕は専業の人をバカにしてるわけではないです。専業の人で僕はすごくカッコいいなって思ってる人、何人もいるし。じゃなくて、専業しか認めない社会を批判してる。そこをすごく誤解されちゃってるんだよなっていうのは、僕の言い方が強かったから、僕のせいでも半分くらいあるんですけど。で、半分くらい、みんなの読解力がない。あんだけ字幕ついてるのに。やっぱ、人の得意不得意ってあると思って。一本突き詰めるっていうことで、めちゃくちゃ能力を発揮する人もいれば、いろんなことをやって能力を発揮する人もいると思って。好き嫌いもあると思うんですけど。どっちもあっていい。だから、どっちかの型に嵌める必要はない。そこらへんをちゃんと見て欲しかったですね。僕の言葉が強かったからよくないんですけど。それって今やっぱり重要なテーマだと思うので、生きていて」。


 これを聞いて、まず頭に浮かんだのは、「なんとも翔平らしい」だった。春花について翔平は「人と意見を交わすのが普通だと思ってる人。僕もそう思ってる人なので」と評していたが、「人と意見を交わす」というのは、すなわち自身の主張に対して賛否両論が出るということ。思い返してみれば、翔平は仕事観を否定されるのをわかっていながら、何度も春花たちとぶつかってきた。周りの意見に対して、強い言葉を被せて封じようとする場面も見られたが、基本的にはしっかりと耳を傾け、相手の主張を受け入れた上で、自身の考えを返していた印象だ。様々な人と討論を繰り返し、時に心が折れそうになりながらも、“やっぱり俺は俺”とスタイルを変えない翔平。良くも悪くも、他人に左右されなかった。


 おそらく翔平は、“他人の考え方”には興味があるが、他人そのものには興味がないのだろう。他人からどう見られるとか、他人にどう思われるかなどの周囲からの評価はどうでもいい。最も重要なのは、自分がどうありたいか。自身に嘘をつかず、どこまでも自由気ままで、素直なのだ。「すごく誤解されちゃってるんだよなっていうのは、僕の言い方が強かったから、僕のせいでも半分くらいあるんですけど。で、半分くらい、みんなの読解力がない。あんだけ字幕ついてるのに」という言葉からもわかるように。そんな翔平だからこそ、テラスハウスの相談役として重宝され、結果的にみんなを支えていたのだ。


 香織への気持ちにも嘘はつかなかった。一目惚れはしなかったけど、女性メンバー3人の中で、香織が「ダントツで気になった」と振り返っていた翔平。「顔はすごく可愛いと思うんですよ」「香織がリビングにいるとちょっとドキドキしてんじゃん。余所行きの顔しちゃうな……みたいなことがあったんですけど、それが緩やかに下がっていきました」と、気になるから“好き”へは発展しなかったことを明かしている。


 「テラスハウスだから、夢を持たなきゃ」、「テラスハウスだから、恋しなきゃ」とか、そういった暗黙の了解みたいなものを気にもせず、ただ単に初日から最後まで散々テラスハウスを楽しみ尽くした翔平。そんな彼が唯一残していったものが、“働き方に対する考え”だった。「一つの仕事を極めることだけが正しいのか?」という問題提起だけでなく、翔平は本編(15TH WEEK)で「男は仕事してなんぼ」という考え方に対しても、持論を展開して切り込んでいた。


 謙譲が美徳とされる日本で、一般的には「おかしい」と言われる意見を臆することなく、堂々と主張し続ける翔平。そんな彼の言葉と姿に、肯定的であれ否定的であれ、多くの視聴者が心を動かされたのではないだろうか。(文=朝陽空)