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アレックス・プロヤス監督のデビュー作 『スピリッツ・オブ・ジ・エア』30年ぶり劇場公開へ

2019年10月29日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『スピリッツ・オブ・ジ・エア』(c)1988 COMPANY BIZARRE PTY LTD.

 映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』が、2020年2月8日に公開されることが決定し、あわせてビジュアルが公開された。


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 本作は、『クロウ/飛翔伝説』『アイ、ロボット』『キング・オブ・エジプト』などの作品で知られる、エジプト出身の映画監督アレックス・プロヤスのデビュー作。初公開時オーストラリア・アカデミー賞の最優秀美術賞・最優秀衣装賞にノミネートされるなど本国では高い評価を得るも、プロヤスが無名だったからか、オーストラリア以外ではほとんど公開されなかった。


 日本では、1990年開催の第1回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映され、審査員特別賞を受賞。この際の審査員を務めたのは、ジョン・ヴォイト、アンジェリーナ・ジョリー、ジョゼ・ジョバンニ監督、相米慎二監督、根津甚八、竹中直人という錚々たる映画人たち。翌年1991年には正式に劇場公開され、その後VHSは発売されたものの、DVDやブルーレイ化はされず“失われた作品”として存在感を高めてきた。


 赤い砂漠と紺碧の空の間に林立する巨大な十字架とぽつんと佇む一軒家。そこに住む足の不自由な兄フェリックスはこの場所ではないどこかへ飛び立とうと、飛行機づくりに明け暮れている。一方、偏執的な気質を持つ妹ベティは死んだ父の墓を守ることに執着している。茫洋であるのに隔離された二人だけの世界に、スミスと名乗る奇妙な逃亡者が現れる。


 公開されたポスタービジュアルでは、オープニングシーンの一部が。砂漠の真ん中でベティが真っ赤なドレスを纏って弦楽器を奏でる様子が写し出されている。プロヤス監督本人とプロデューサーは、今回の日本版ポスタービジュアルを大絶賛し、「デザイナーに素晴らしい! と伝えてほしい」「ポスターを早く欲しい」という前のめりな連絡が来ているという。


 制作に4年半の月日が費やされた本作について、プロヤス監督は公開当時、「『スピリッツ・オブ・ジ・エア』は、目の前に立ちはだかる、時には馬鹿げているとさえ思えるような障害物と戦いながらも、夢を実現させようとする者たちの物語である。この映画に登場する人々は、エキセントリックで弱点も見せる。彼らのシチュエーションはしばしば滑稽であるが、それは実際に我々が経験している日常ほどではない。これは、ある意味での犠牲と失敗についての映画だ。それはただ、笑うしかすべのないものである」とコメントを残している。(リアルサウンド編集部)