就職や転職で新しい職場に入った際、まずは新人研修を受けてもらうことが多いだろう。充実した研修で実践に役立つものであれば、独り立ち後もスムーズに業務を行うことができる。
働く人々は新人研修をどのように感じているのだろうか。今回は企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた口コミを紹介する。【参照元:キャリコネ】
「1か月後研修、中堅社員研修等も充実」「積極的に教育を受けさせる環境」
「人材の採用活動に積極的。入社後の新人教育、1か月後研修、中堅社員研修等も充実しており、人材の育成を1番大事にしていると思います」(代理店営業、50代前半、男性、正社員、年収800万円)
「社員さんの性格は良い人ばかりでした。新人教育も非常に優しく丁寧で、頭ごなしに叱る人は皆無でした」(テストエンジニア、30代前半、男性、派遣社員、年収300万円)
「一年間の新人教育があるため、入社後1年間の離職率はほぼ0。同期との絆は他社と比べて深まりやすいのではと感じる。また、社員に対しての教育制度は充実している。全社員、グレードによって必須教育などがあり、積極的に教育を受けさせる環境となっている」(その他、20代前半、女性、正社員、年収350万円)
これらは新人教育に力を入れている企業の口コミだ。新人教育の後も研修や教育があり、人材育成を大切にしているといった体験談が寄せられた。社会経験のない新卒採用者は業界のイロハだけでなく、社会人としての基礎も必要になる。
また中途採用者は即戦力ではあるが、入社した企業のノウハウやカラーを学ぶことでより早く現場に馴染むことができる。内容が充実している新人研修であれば、新卒採用者も中途採用者も効率的に成長していけるだろう。
「ノウハウがあまりない」「マニュアルも感覚的」
一方、機能していない新人研修に関する口コミも多く見られた。
「新人の教育はマナー講座と工場見学・体験なので、事前に配属される部署の業務知識があまりない状態で勤務することになります。新人教育のノウハウがあまりないようで、聞けば教えてくれますが、基本放置状態です。何をしていいか分からないため新人は突っ立ってしまいます」(その他、30代後半、男性、正社員、年収182万円)
「労働環境に問題を感じる。自分の仕事を抱え込み共有したがらない集団な為、新人教育が下手で、中途採用社員は経験者じゃないときつい。知識を持った経験者であっても前からいる人には何も言えず、中途採用者の離職率はかなり高い」(その他、40代後半、女性、正社員、年収360万円)
「新人教育は同じ契約社員のリーダーがあたるが、教育担当としての教育は特に受けてはいないようで我流。マニュアルもあまりなく感覚的なところもあった」(財務・会計関連職、40代後半、女性、契約社員、年収250万円)
配属先に必要な研修を学べない、担当者によって教え方が違うなど、研修に関するノウハウがない場合、教育される側は戸惑ってしまうだろう。業務内容や社内ルールなどを効率的に学べず、独り立ち後の環境に適応できない恐れもある。
また、こうした下手な新人研修がキッカケとなり、せっかく採用した人材が早期に退職してしまう可能性もある。
人材の採用にはコストがかかっている。本来ならば企業にとっても、採用した社員が長く勤務して成果をあげる方が利益になる。企業は新人教育に力を入れ、社員の成長を促し、定着率を高めていくべきだろう。